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夜と朝の間


空が好きだ。
どんな時だって、空はきれい。


でも特に好きな空がある。

それは夜と朝の間の空。


真っ暗だった夜が明け、空がだんだんと藍色になる。

藍色の空がどんどんと薄れていき、オレンジ色の空が濃くなりはじめる。

藍色とオレンジ色のグラデーションになった空。

この瞬間の空が大好き。


この空を見ていると、高校生の頃の祖母の家を思い出す。

一個下の従妹とわたしは、祖母とそして祖母の家に行くのが大好きだった。
2人だけで1〜2ヶ月に一度、祖母の家に泊まりに行っていた。


祖母の家と言っても、大自然に囲まれた田舎のような場所ではなく、千葉にある普通の街だ。
なのでそこでしかできない、という事は何もなく、祖母の家でダラダラしたり、近くにあるカラオケに行ったりした。



特にわたしたちが楽しみにしていた時間は、夜だった。


0時をすぎても布団の上で各々漫画を読んだり、スマホをいじったり、おしゃべりしたり。

お腹が空いたら、日中買っておいたお菓子やカップラーメンを食べた。

そしてそのまま朝まで起きていた。


外が薄ら明るくなってきた頃、その時がきた。

藍色とオレンジの色のグラデーション。
わたしの大好きな時間。



非日常から現実に戻る瞬間。

夢と現実の間のような感覚。


この夜が終わってしまうことを悲しいんでいるのか、また新しい朝がきたことを喜んでいるのか。

わたしの曖昧な気持ち含め、この時間の空が大好きだ。





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