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FFP(ファイナンシャルフェアプレー)について勉強しよう

画像引用: https://twitter.com/jackgrealish?s=21

FFP(ファイナンシャルフェアプレー)について勉強しよう

こんばんは。
ルドベキアです。

前回に引き続き、引き出しを増やすため今回はFFP(ファイナンシャルフェアプレー)について勉強していこうと思います。

導入された経緯

この施策が実施された目的は、ヨーロッパのプロサッカークラブに多く見られる赤字経営による最終的な破産を防ぐためです。
この制度が導入されるまでは、多くのクラブは目先の勝利のため、選手獲得や年俸の支払いを借金を積み重ねてまで行っており、それに危機感を抱いたUEFAの会長であるプラティニによって提唱され、理事会で導入が決定しました。

これが企業ならば、赤字を出しまくっている企業になど顧客はつかないのですが、サッカーというスポーツの性質上、強いクラブの顧客(サポーター)が増えていきますから財政よりもクラブの強化が優先されてしまっていたんですね。

UEFAによれば、実際に導入前時のクラブの赤字経営の状況を回復しており、成功している制度の1つと言えるでしょう。

"introduction in 2009, both club losses and overdue debts of top division European clubs have been slashed, decreasing to less than 20% of the level before the introduction of the regulations."

(実際に導入されてからの最初の5年間で、ヨーロッパのトップディビジョンのクラブの赤字と借金は20%未満となっています)〔筆者訳〕

引用: https://www.uefa.com/insideuefa/protecting-the-game/financial-fair-play/


FFPって何?

それでは本題ですが、FFPとは何なのでしょうか?
FFPとは、先程も記した通り、UEFAがUEFAに加盟するプロサッカークラブの財政健全化のため、2011年に導入した規則です。
ファイナンシャルフェアプレーの略称になるのですが、読んで字のごとくですね笑

一言で言いますと、UEFAが加盟クラブに赤字経営を禁止しました。もちろん規則ですので、これを守らずに破ってしまった場合はクラブに罰則が与えられます。

それだけの事なのですが、色々とややこしいものになっていますので今から説明して行きたいと思います。

まず、赤字経営とはクラブが出した収益よりもクラブの支出が上回ってしまうことを言います。
主な収入、支出は以下の通りです。

●収入
・選手売却による移籍金
・スタジアムの入場料
・テレビの放映料
・賞金(大会などで好成績を収めた時などに貰える)
・グッズ収入(ユニフォームなどの売り上げ)
・スポンサー収入                                     etc...

●支出
・選手獲得のための移籍金
・人件費(選手の年俸、スタッフの給料など)  etc...

※クラブ発展のために必要と考えられている
・スタジアムの新設や改修
・アカデミー組織への投資
は、FFP審査の際に支出として計上されません。

更に、この収入>支出であるかという審査は、3年間の合計が対称になります。
(初めて施行された際は、11-12、12-13シーズンの2シーズンの合計となりました。
また、この2年間で今までの借金の返済は不可能であるため、14-15シーズンまでは€4500万以内、17-18シーズンまでは€3000万以内で支出が上回ることが許容されています。)

これを理解した上でもう一度言い変えると、「3年間の合計のクラブの収支の関係が『収入>支出』でなければならない」という制度です。

例外

原則あるところに例外ありと言うところでしょうか。
UEFAは2005年にプラハで開催された理事会で規則の改定を承認しました。

"自発的協定"
新規参入であるオーナーがクラブの強化のために、短期的な投資が必要な場合に最大4年間に渡って計画的な赤字経営が認められました。
ただし、投資計画の見通しを明確にしたプランの提出と、赤字額を完全に補填できる証拠を示して交渉を行い、UEFAの審査に合格した場合に限ります。

FFPの問題点

大きく言えば成功した制度なのですが、様々な問題が起きていることも事実です。

●クラブの格差が広がる
メガクラブはサポーターが多くグッズ売り上げやスタジアム入場料などで大きなアドバンテージがある為収入が多く、その分選手獲得や契約延長のための昇給の提案などが、中堅クラブなどと比べてしやすくなります。

●多くの抜け道が存在する
有力オーナーを持つクラブなどが、スタジアムのネーミングライツやスポンサー契約などで高額な契約を結び収入を増やすことで支出に使える金額を増やすことや、ヨーロッパ以外(UEFAに加盟していない)の提携クラブに移籍させ、そこから無償レンタルして審査される支出に計上されないようにする「ウルトラC」などが存在します。

このように、どこのクラブも変わらず勝利を追い求める以上、あの手この手で勝利の確率を上げにいくことは間違いないでしょう。
マンチェスターシティやチェルシーFCに違反があったこともあり、今後もルールの改定がされていくと思います。
そういった改定にも屈さず、抜け道を見つけることもクラブの"強さ"なのかも知れませんね。

ひとつ言えることは、メディアの発達に伴い、クラブの経営面も透明化されてきたこともあり、クラブの経営方針に共感して応援するサポーターもいるということです。
勝利のためになんでもするということは大事かもしれませんが、サポーターを裏切らないこと、サッカーを裏切らないことも今後サッカーが発展していく上で重要なのかもしれません。

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