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    冷蔵庫も記事が増えてきたので著者別に分けます。

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最近の記事

生きやすいとはどういうことか

最近、前に比べて生きやすくなったなと感じる。端的に言うとコミュニケーションにおいて自分の意思を伝えることに躊躇がなくなったということだ。今までいわゆる、"陰キャ?"要素が強かった自分は何か人に伝えるときに大きめの負荷を自分に対してかけていた。それは他人への恐れの裏返しだったのだと思う。 だが、今あまり負荷をかけなくてもいい状態にある。他人、ひいては”世間"に対する信頼感が増した結果なのだろうが、それと同時にひとつひとつの言葉が軽く今までの自分だったらここまで相手と互いに喋れ

    • 創作①

      渚の結び目  閑静な漁師町にある港の外れ、波打ち際の岩に腰掛ける一人の若い男がいた。彼は両端を山に囲まれた水平線に夕日が沈んでいく、その様子をじっと見つめていた。潮騒と浜風に紛れた足音に彼が気付いたのは、女が彼の直ぐ傍に立った時だった。「隣、いいかな」男は無言で首肯したが、視線は同じ方向に釘付けになっているようだった。女は少し躊躇した後、徐に男と同じ岩に腰掛けた。「……綺麗だね」そう言って男の横顔を見ても、男は微動だにせず海の彼方を見つめている。女は諦めたように男と同じ方向

      • 体験の純度

         体験には必ず不純物が付随する。それはある種内在的な、不可避のものではあるにせよ、我々を感動から遠ざける厭らしいものである。だから我々は、卑近の些事には感動できず、圧倒的な大自然を、はた不純物を取り除き感性を揺さぶる主要素を誇張させたような人工物を愛する。  僕は今日も音楽を聴く。小説を読む。しかしそれらの体験は謂わば、殆ど反抗的と言ってもいいような感動への憧憬を矯め殺さんが為のものかも知れない。だから、他人がでっち上げた偽りを心の裡に陣取られないように、せめて自らの虚構に浸

        • 嘔吐

           最近非常に苛々している。理由は明確に、これでもかというほど克明に判っている。己の感情、思想、妄想、一切合切を吐き出してしまいたいのに、紡ぐ言葉が拙くて仕方ないからである。そして気分転換にと思って何気なく聞いた音楽の歌詞、メロディ、全てが圧倒的な完成度を見せつけてくるせいで、僕の根拠のない自負は滅茶苦茶にされてしまった。今迄はこれくらい自分でも書けるだろうと思っていたようなことでも、いざパソコン或いはノートに向かうと驚くほど何も出てこない。傷つくことから逃げ続けた所為で抒情も

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        記事

          言い訳と詩

           どうもお久しぶりです。初めましての方は初めまして。Kyojinと申します。毎日更新を目指して頑張りますと宣言したのが懐かしいくらい投稿していませんでした。今から言い訳します。書いてらっしゃる方ならお判りいただけるでしょうが、毎日書くのって結構しんどいんですよね。日記とか雑記ならまだしも、構成を考えつつしっかりした文章を書くのって目茶目茶手間かかるんですよ。これが本業というわけでもないので。それに加えて、言語化することで新たな発見があるだろうと思って書き上げてみてもあまり面白

          言い訳と詩

          京大生が語る「川」の魅力

           普段あなたが何気なく通り過ぎている「川」。素晴らしい透明度と美しさで有名な観光地になっている「川」。豊かな生態系の基盤となっている「川」。その秘めたる魅力を、河川愛好家歴10年の筆者が熱弁します。写真マシマシでお送りしますので、楽しく読んでいただけたらと思います。  前書き どうもKyojinです。冷蔵庫というサークルの一員としてこの記事を書いております。先日毎日投稿という目標を掲げたばっかりなのですが、七日目にして早くも達成できませんでした。ごめんなさい。言い訳させてい

          京大生が語る「川」の魅力

          僕が文章を書く理由。

           漸く夏の暑さも若干の衰えを見せ始め、涼しさが嬉しいはずなのに何故か物寂しいような妙な気分になる今日この頃。僕はいつものようにシリアルを牛乳に浸しただけの適当な朝食を済ませると、パソコンと学生証をリュックに投げ込む。誰もいない部屋に行ってきますと告げて駐輪場に降り、愛用のクロスバイクに跨ってペダルを踏んだ。行く先は某大学図書館である。   僕は今年の春から京都の大学生なのだが、入学早々何もやる気が出ない日々が続いていた。体育会系の部活に入ったはいいがコロナの所為でまともな練

          僕が文章を書く理由。

          能動的且つ主体的な人生観の再構築について(後編)~楽しい人生のための礎~

          まえがき  どうもKyojinです。前編では自力で自己肯定感を育てなければいけない理由とその方法について説明しました。前編をご覧になっていない方はまずはそちらをご覧ください。もしよければいいねしてくださるとウルトラ励みになります!!   前編を既に読んでくださった方々、さらにいいねまでして下さった方々、本当にありがとうございます。さて後編では、前編で導入した「原初的自己肯定感」を前提にして発展させた自己肯定感ー安直ですが「発展的自己肯定感」とでも名付けましょうかーを導入し

          能動的且つ主体的な人生観の再構築について(後編)~楽しい人生のための礎~

          「自殺はダメ」に対する猛烈な違和感

           ども。Kyojinです。前回は「矮小詩集『夏歩き』」という記事を上げました。題の通り夏を題材にした詩集です。詩集というより全体で一つの詩といったほうが適切な気もしますが、名称には余り拘らないことにします。名称とお金に拘る大人になりなさんな、と母がよく言っていたので。噓ですが。今この季節にちょうどいい詩だと思っています、もし良ければご覧ください。 また、執筆現在最も多くの方々に評価いただいてるのはこちら↓↓の記事です。もしよければちょっと長い文章を読む覚悟をしてから存分にご

          「自殺はダメ」に対する猛烈な違和感

          矮小詩集「夏歩き」

          どうもKyojinです。夏がもうすぐ終わるのを思うとついセンチメンタルになってしまう今日この頃ですが、読者の皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。初の二日連続投稿になるのですが、前回は「老害とは何か?~偏見的考察~」という記事を上げました。誤解の無いように言っておくと、ご高齢の方々を誹謗中傷する内容では全くなく、社会に迎合した大人に特有の弊害が若者にどう影響するのかといったことを勝手に考察しております。興味がある方は是非ご覧ください。 また、現在最も多くの方々に評価

          矮小詩集「夏歩き」

          老害とは何か?~偏見的考察~

          前書きどうもKyojinです。Kyojinには京人、強靭、狂人など様々な意味が無理矢理込められていて、逆説的に何者にもなれない現代の若者の心理を表現しています。適当です。前回の投稿は「主体的且つ能動的な人生観の再構築について(前編)」でした。大学のレポート課題よりも手間暇かけて頑張って書いたつもりですが(それでいいのか)、人によっては読む気すら起きないとのフィードバックをいただいております。確かに読む人を選ぶ内容ではありますが、はっきり言われると堪えますね……。人生になんと

          老害とは何か?~偏見的考察~

          主体的且つ能動的な人生観の再構築について(前編)〜ぶっちゃけ人生ムズくね?〜

          まえがきども。冷蔵庫のKyojinです。冷蔵庫というのは大学生と浪人生からなるインカレサークルのようなもので、noteへの過激な投稿を主な活動内容としているヤクザな集団です。噓ですわりと真面目に活動しています。Kyojinは未だ投稿4回目なのでまずは軽く自己紹介をば。京都の知の巨人(僭称)こと私Kyojinは、花も恥じらう大学一年生です。好きな調味料はナンプラーというタイの魚醤で、最近はわりと知名度も高くなってきたのかカ○ディーに並んでる種類が多くて嬉しかったりしてます。アウ

          主体的且つ能動的な人生観の再構築について(前編)〜ぶっちゃけ人生ムズくね?〜

          なぜ教師の残業代は支払われないのか?

          こんにちは。Ghibrinです。このペンネームは冷蔵庫のメンバーの1人がつけてくれたのですが、その由来は僕がジブリ好きで、語感が可愛いかららしいです。ちなみに僕は可愛くありません(どうでもいい)。さて、記念すべき初回は教師の残業代がなぜ支払われないのかについて調べてみようと思います。なぜテーマをこれにしたかというと、一つは世間で教員の労働環境のブラックさが取り沙汰されているからというのもあります。先日も文部科学省が働き方改革による労働環境改善や ICT の活用などについて主に

          なぜ教師の残業代は支払われないのか?

          Kyojinの詩

          ちわ。深夜のKyojinです。冷蔵庫主宰者のGhibrinに唆されて10分で詩を書きました。(追記:十分とはいえ手抜きや妥協はしておりません)前回の予告で次回は考察を上げるとか言ってたけど先に詩を上げます。考察の方も進んでて、近いうちに上げるのでぜひ見てやって下さい。では、詩。 〈扇情的な駄作〉 言葉に宿る命が有った ただの命ではない あなたの心臓を丸ごと どきどきするまま奪ったかのような 熱くて眩しくて見ていられないような 謂わば肉感を纏った一つの輝きであった 嗚呼解っ

          Kyojinの詩

          大谷翔平の倒し方(物理) 其の①

          最近大谷翔平がすごい。野球シロウトなので何がすごいのか、いまいちよく分かってないが、とにかくすごいらしい。国内のみならず海外からの人気もひとしおである。いちコミュ障としてはなんともムカつく話だ。 しかし私は理系である。目の前の問題に対して、合理的な解決策を見つけ出してこその理系である。 ...というわけで、これから数回に渡って大谷のホームランをスポーツマンシップに則って、大人気なく、徹底的に、妨害する方法を探求する。 以下に斜方投射した球体の運動方程式を、空気抵抗を考慮

          大谷翔平の倒し方(物理) 其の①

          授業中に作った詩

           今日は。冷蔵庫のKyojinです。今回は前回言っていたように詩を上げます。線形代数の授業中に書き殴りました。単位?なにそれおいs 表現が稚拙だったり言葉遣いがおかしかったりするかもしれませんが、良ければ読んで、味わってやって下さい。 窓外の青葉 窓の外、ふと目を惹く光だった 愈来たりし夏の 爛々たる陽に呼応するが如く 其の銀杏の梢は煌々と息をしていた ぼうっと見惚れていた私は俄にして気付く 無機質且つ透明な壁が その熱量を遮っていることを 己の有る空間が 当然の如く

          授業中に作った詩