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もしかしたら

今日の昼下がり。
私は、部活に向かっていた。
終着駅で降りる予定だ。

連日、趣味のバイトで早起きが続いていた。
気がついたら、眠っていた。
ご飯を食べた後の電車のまどろみほど、素敵なものはない。一瞬で深い眠りへと入っていくのが分かった。

右肘を突かれた。

そう思ってとっさに起きた。

違った。
隣の席に座っているおじさんが、リュックを開けて、本を閉まっている。
その腕が、自分の肘に当たったようだった。

右肘を突かれたと思ったが、勘違いだったのか。
そう納得した。

電車は終点に、着いていた。
部活に行くために、ここで降りなければならない。

お、よかった。
そう思って、改札口に向かう。

ふと思った。

もしかしたら。

あのおじさんは、自分を起こしてくれたのではないか。
終着駅についても寝ている、自分のことを心配して。
しかし、声をかけたり、肩を叩いたりする勇気はなかった。
そこで、本を鞄にしまう時に、少し当たるようにしたのではないか。

とっさに周囲を見渡す。
もちろん、あのおじさんは、見当たらない。

真相は、分からない。
ただの妄想に過ぎないのかもしれない。

でも、もしかしたら。
こんなことを考えるのも、楽しい。

ちょっぴり笑いながら、私は部活に向かったのだった。

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10月20日(火)
○久しぶりに空港に行ってエネルギーをもらった
○祝!メルカリ初出品!10月にやりたかったことの1つ
○移動時間でなんとか睡眠を確保
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では、また。

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