大阪でたこ焼きを8軒めぐった話
たこ焼きパーティー、略してタコパ。
学生の間で、流行る言葉であると思う。誰かの家のたこ焼き器を用い、ひたすらにたこ焼きを作る。
特にはチーズやウィンナー、チョコまでもを具材として投入して、学生ならではのノリで楽しむ。最高だ。
さて、私たちは土曜日、大阪にいた。
18時に大阪駅に着く。
やることは、決まっていた。
本場で、たこ焼きパーティーをしよう、そう考えていた。
ルールは簡単。たこ焼き屋さんに行き、たこ焼きを頼んで半分(連れは女性なのでのちに傾斜配分となる)を食べ、次の店へと歩みを進めるのである。
制限は、ない。お腹が限界になったら終わりだ。
まずは大阪駅周辺の店舗から始めた。
1軒目は、はなだこ。
食べログで調べて上位に出てきた店だ。
カウンターで6個入りを分ける。
生地が、自分の作るそれとは全く異なる。美味しい。はふはふ言いながらあっという間に食べ終えてしまった。
続けて、阪急の飲食街にある、ぶぶ亭へと向かう。ここは屋台ではなく、店内での飲食となる。たこ焼きと明石焼き、それぞれ1つずつ頼んだ。
実は明石焼きを食べるのは、はじめてだ。出汁と卵の風味が、非常に合う。健康的だ。
しばしゆったりしたのち、心斎橋方面へと向かうことになった。
3軒目は、変わり種だ。ちょぼ焼きというたこ焼きの原型だと言われているものと、たこ焼きのセットを食べた。
ちょぼ焼き、全然しょぼくない。(そういう意味ではないだろうが。)
一瞬で食べ終え、雨の中を心斎橋へと向かう。
そこから私たちを待ち受けていたのは、それぞれに違ってそれぞれに美味しい、たこ焼きの数々であった。
4軒目、甲賀流。
ゆずぽんとネギという、革新的だという味付けを試す。3分の1ほど汁に浸っている状態のたこ焼き、これがまたうまい。口の中がさっぱりする。
5軒目、わなか。
これは完全にふらりと立ち寄った店だ。こういう店でも、クオリティは抜群だ。
明太チーズマヨ、美味しくないわけがない。"前半戦のうちにこういう重いものを食べたほうがいいよね"と言ったら、"5軒目で前半戦?"と呆れられた。
6軒目、味穂。
これは特筆すべきたこ焼きだろう。ソースをかけない状態で提供してもらったが、本当に素材の味が美味しかった。普段どれだけ無駄なものでごまかして食べているのか、と思った。
本当に美味しいものは、何もつけずにも、美しいほどに美味しいのだと思った。
7軒目、道頓堀本家大だこ。
あまり賑わっていなくて心配したが、杞憂だった。大阪のたこ焼きで不味いものはないのではないか。そう思うほどに、どれもが美味しい。ここは鰹節と濃厚なソースのマッチが絶妙で、酒が欲しくなる味だった。(実際缶のお酒を片手にめぐり始めているのであるが。)
8軒目、あっちち本舗。これでラストだ。
道頓堀周辺での食べログ上位の店だが、雨の影響が空いていた。
王道のたこ焼き、9個入って500円なのだから破格だ。味も非常に美味しかった。
こうして、私は38個のたこ焼きを、無事楽しみながら食べ終えたのである。
気づいたのは、魂のこもった料理はうまいということだ。
たくさんの店がしのぎを削る中で、どの店もその店なりの美味しさを探究し続けているのだろう。同じものはなかったが、どれも本当に美味しかった。
そして何より印象的だったのが、商売への心意気だ。笑顔ではない対応を見せた店は1つもなかった。
ある店では、ゴミを捨てに行ったら店主のおじちゃんが味を尋ねてきて、美味しかったと答えたら満面の笑みで応じてくれた。
他の店では、途中でHeinekenを飲もうと追加したら、あとから頼んだにも関わらずセット料金として半額にしてくれた。しかも自分が全額を渡したのに、である。利益を求めるならそのままもらってしまえばいい。
さすがは商人の街だ。血の通った接客を受け、本当に気持ちが良かった。
味も心も満たされた、大阪でのたこ焼きパーティーであった。
次行くときは、お好み焼きパーティーだろうか。
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11月7日(土)
○ 計画通り旅行できた!
○ 食べすぎたけど美味しい日だった!
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では、また。
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