最高の時間 《ラーメン屋 単発バイト》
単発バイト日記のようになっているが、今日はどうしても、経験したことを共有したい。
私は、家から2時間もかかる、とあるラーメン屋さんで単発バイトをした。
事前にアプリからレビューを見ると、怖いことが書いてある。
"女性の社員さんが怖かった"
自分の経験からして、女性の社員さんは、本当に怖いのだ。
カフェのバイトをしているのだが、そこで最初にトラウマになるほどにしごかれた経験がある。
そんな事情もあり、このレビューに相当びびりながら向かったのである。
駅に着く。
夕方の時間帯にも関わらず、駅前が閑散としている。
これはもしや、暇な店舗ではないか。そう思った。
この予感は、的中するのである。
店に入る。
高校生だろうか。バイトの子が迎えてくれる。
"派遣の方ですよね?"
慣れた感じで案内してくれる。
さっそく女性の社員さんから制服を受けとる。
目が怖い。多分この人だ。
なるべく意識せず、笑顔で対応する。
この時点では、怖い思いはしなかった。
業務が始まる。自分の担当は、レジだ。
伝票を受け取り、駐車券やポイントカードがないかを確認しつつ、会計をし、お釣りを渡す。
カフェでの経験が、活きた。苦労することなくこなしていく。
お客さまは、まばらだ。
5分に1組ほどが、お会計をして出て行く。
余裕を持って、接客することができた。
しばらくすると、ラーメンをサーブする役割も任せてもらった。
美味しそうなラーメンを運ぶ。
机に置くと、複数人で来店されているお客さんの多くが、わー!という表情を浮かべてくれる。
自分が作ったわけでもないが、とても嬉しくなる。
そうこうしているうちに、少し油断が出てきた。
その瞬間だ。
"お箸!!"
例の女性社員さんが、バイトの子に鋭い声を出していた。
そうだった。レビューを思い出す。
大人しく仕事をしていよう。こう思って取り組んだ。
仕事が中盤になり、面白いことが起きた。
あるお客さまが、アプリを入れて特典を得ようとしていた。女性社員さんが対応に当たるが、お客さまは操作に不慣れなようで、なかなか進まない。社員さんもかなり苦労していた。
そこで、
"自分、やりますよ"
と声をかけ、そのお客さまと一緒に会員登録を進めることにした。
苦労したものの、無事会員登録が済み、特典をもらって嬉しそうにお客さまは帰っていった。
そのあとだ。
"○○くんのおかげで助かったよ、ありがとうね!"
例の女性社員さんが、話しかけてくれたのである。
名前を入れての感謝は、相当本心から思っている時でないと、出てこないと思う。
驚きつつ、嬉しくなってしまった。
ここは、いいところかもしれない。
他にも素敵なお客さまがいた。
"新人サン?"
おばちゃんだ。日本語が少し変だ。フィリピンの方だろうか。
"いえ、今日だけです!"
こう答える。
"そうなのネ、何時まで?"
"21時までです!"
"頑張ってネ!"
ただ、これだけである。
でも、嬉しい。
常連さんなのだろうか。
自然と、"ありがとうございました"と背中にかける声に熱が入った。
その後はあまりお客さまはいらっしゃらなかった。
フロアをしっかり見つつも、店長と会話をする。
自分の今後の将来のことを話すと、店長が気を許してくれたのが分かった。
多くのことを語ってくれる。
マックでバイトをしていたこと。
それがきっかけで、外食産業への就職を目指したこと。
店舗拡大があまりうまくいっていないらしいということ。
最近家を買ったこと。
車通勤の良いところと悪いところ。
高校時代の部活のこと。
今後のお店のこと。
店長としての苦労や喜び。
単発バイトの人間にそこまで話していいのか、ということまで聞かせてくれた。
いや、むしろ、今日限りで会わないから、話しやすいのかもしれない。
とにかく、下に見ることなどなく、対等に色々なことを話してくれた。
最高の時間だった。
私が単発バイトにこだわる目的は、パイロットという閉鎖的な世界に飛び込む前に、世の中を見たいからだ。
いつまでも謙虚に、素直に、生きたい。
世界を知らずして、それはできないと思う。
もちろんもっと過酷な環境はあるだろう。
日本を出れば、さらに恵まれない環境はある。
私がやっていることは、実は大したことはないのかもしれない。
それでも、時間が与えられた今、私は多くの人の生き様に、近くで触れることができている。
これこそ、やりたかったことだと思う。
お金を稼ぐためではない。人生の深みを稼ぐために、このような時間の使い方をできていることが、嬉しい。
"パイロットのほう、本当に頑張ってね"
店長の言葉だ。
"今日はありがとうね、家まで2時間、大変だと思うけど気をつけて!"
女性社員さんの言葉だ。
報酬の4,000円だけでは表せない、素敵な時間を過ごすことができた。
今夜もよく眠れそうだ。
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10月18日(日)
○お昼ご飯美味しかった
○パイロットの方と相当な時間お話する機会をいただいた。最高だった。気を引き締めて頑張る。
○パイロット受験仲間と再会
○カプセルホテルを使いこなした(いつか記事にするか)
●英語と読書。。明日の午後は絶対に時間取る!
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では、また。
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