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サイコパス店長

とある、単発バイトをした。
迷惑がかかってはいけないので、とあるチェーンのとある飲食店、とだけ述べておく。
このチェーンは、かなり有名だが私は行ったことがなく、いつか行ってみたいと思っているところだった。
つまり、自分が食べるよりも先に、働くことになったのである。不思議なものだ。

もう、新たな環境に飛び込むのに恐怖は感じなくなった。
色々な店で、色々な人との出会いがある。
それ楽しむ余裕が生まれていた。

今日の店長は、少しクセがあるなと思っていた。
口調は柔らかだが、言い方が少しぞんざいなところがある。必要最低限しか伝えてくれない。
だが、無愛想というわけではなく、部活やら何やら、こちらのことを尋ねてくる。嫌いなわけではないらしい。
掴み切れずにいるうちに、業務時間の半分ほどが過ぎた。

忙しくなる時間帯。
店長に任された仕事がうまくいっていないようだ。
何やら苦戦して、軽く舌打ちした。
その時だ。
"ちゃんと閉まってないんですけど!!"
指を差され、突然怒られた。
食洗機の蓋が少しばかり開いていたのである。

そんなに大きな問題が起こるとは思えないが、もちろん自分の仕事が悪いので、すみませんと返したが、納得がいかない。
大人なんだから、人に当り散らかすなどやめてほしい。

これだけなら、嫌な店長に当たったな、で終わるだろう。
しかし、業務が終わると、こんなことを言うのである。
"これまで来てくれた派遣さんの中で1番よかった、すごく慣れてる感じだし、お客さんの動きがすごく良く見えてて助かったよ"

へ???
一瞬よく分からなかった。
最初はあまり丁寧な説明ではなかったし、途中で怒られた印象も強い。
それが、最後の最後に、かなり熱いお褒めの言葉をいただいたのである。

謎だ。
でもなんだか、むしろ嬉しくなってきた。
ご気分屋の店長でさえ認める働きをしたのであろうか。
いや、気分屋ということは、適当に言っている可能性もある。
もしかしたら派遣全員にそう言っている…いやそんなことはないか。

かなり謎は残るが、こうして無事に勤務を終えた。
せっかくなので遅めのランチを食べて帰ることにした。
自分が洗ったであろうお皿で食べる料理は、美味しかった。

単発バイト。
色々な人と出会える、素敵な場だ。

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10月25日(日)
○部活のサプライズ相当進んだ!あと少し
○一応ちゃんと寝てる
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では、また。

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