その色で.
あなたの隣、毎日唇をなぞった色で
久しぶりに唇をなぞってみた
あなたのくれた「似合ってる」の言葉で浮かれたっけ
この色ひとつであなたに触れたことを思い出す
なんて、あり得ないけど
あなたまみれな人間じゃないから
可愛くないよね、だからかなぁ
そうなれたら、あなたはまだ隣にいたのかな
あの色を纏った唇から溢れた言葉たち
怒りも悲しみも躊躇うことなくぶつけた
だから、あなたがいないんだ
あなたに溺れた私じゃないから
だから、あなたがいないんだ
ただあなたに溺れなかった私が
あなたを思い出すなんて「寂しい恋」ね
あの色を纏った唇から溢れた言葉たち
怒りも悲しみも躊躇うことなくぶつけた
あのときあなたは寂しさ悲しさを伝えようとしてたのかな
それに気づかないふりをした
だから、あなたがいないんだ