記憶
"また 桜の樹の下で…"
あの日の記憶の中であなたが放った
また、この夢路
もう何度 辿ればいいのだろう
桜月 "さよなら" なんて謳って
滲んでく 背中
遠くへ遠くへ 霞んでゆく__
目が覚めても 未だ夢心地
毎夜の如く 夢路はあなたばかり
なのに 傍(ここ)にあなたはいない
どれだけ経っても 慣れやしない
"また 桜の樹の下で…"
桜言葉に踊らされ あの日の記憶遠のいて
いまの私に何が残るというのでしょう
あの温もりも あの涙すらも
桜影にかくれんぼ
いらない思い出だらけ なんて強がりだ
あなたのことが憎い なんて嘘つきだ
どれだけ願ったって戻れない
あなたのとなりは私じゃない
もう この街にあなたが戻ることはない
わかってるのに
水面に舞う夜桜と月明かりのなかで
どうしてあなただけを探すのでしょう
頬を伝う雫すら 隠してしまおう
桜言葉に踊らされ あの日の記憶遠のいて
いまの私に何が残るというのでしょう
あの温もりも あの涙すらも
桜影にかくれんぼ
隠れた先 そっと見つからないように
隠れた先 舞う桜吹雪に寄り添って