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枯れない花束

まるで毒をまいているようだ
あなたから私が消えないような、
じわじわ疲れさせていくような、
そんな毒を
あなたに植え込んでいるみたいだ


日常に変わらない温度と影が交わるような
なんてことない日々のくつろぎ
自動再生される音楽に好みを寄せる
雰囲気が好きだと話すこと
趣味嗜好は私をうつす
どうやったってなんてことない日々の間

良くも悪くも疲れるような恋愛はやだなって
あなたの口癖だった


好きしてるから、なんて
いってみたいだけ
言うだけタダでしょ

愛してるから、なんて
どこみて言ってんのよ
こっちをみてよ



終わりを想像しちゃうような毎日の繰り返しによぎる
この時間もいつか毒になって花が咲くのかと
そんな自分が怖いと思った

好きなものを何気なく共有する言葉を
あなたに植えつける、
完全に無くならないと分かっていながら。


好きしてるから、なんて
いってみたいだけ
言うだけタダでしょ

愛してるから、なんて
どこみて言ってんのよ
こっちをみなよ



好きな映画の系統も、
好きな本の雰囲気も、
好きな音楽の感じも、
ぜんぶぜんぶ、私をうつしてる
それを伝えることは少しずつ毒をまいているみたい。

離れたとしても、
私の好きなものが嫌でもよぎるみたいになってしまっていて、
無意識のうちに毒をまいていたみたいだ。

花が咲くなんて聞いて呆れる
誰も幸せになんてなれやしないそんな花を
誰も枯らすことのできない花束を
抱えあうなんてステキなことでしょ


好きしてるから、なんて
いってみたいだけ
言うだけタダでしょ

愛してるから、なんて
どこみて言ってんのよ
こっちにおいでよ



小説風ver.