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此処
6畳あまりの部屋で
歌をうたって唄をかいている
惰性を喰うみたいな時間の流れに
何かひとつ得られるわけもなく
ただ、浮かんでいる
それだけの繰り返しだ
虫が飛んだだとか
いやに空が青いだとか
カーテンを閉じたこんな部屋じゃなにも明かされないままだ
あるのは自分の人生の一部たちと人工の明かりだけ
喰らうのは人生の1粒1粒
どうせすべて忘れず抱えていけるはずもないのに
思い出やらやりがいやらだけを残した色たちに花束を
「どうせ」が口癖な捻くれ野郎な自分でも
縋りたいものもすくわれたいことも確かだなんて
それすら認められない
「また明日」を何度もやり直そう
鳥が飛んだだとか
いやに空が青いだとか
花が咲いただとか
風の肌触りはどうだとか
カーテンを閉じたこんな部屋じゃなにも知らないままだ
あるのは自分の人生の一部たちと人工の明かりだけ
カーテンから覗いた空が暗くて
「また明日」を繰り返すんだ