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「ピアノによる第九。」

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ベートーヴェンの「第九のピアノ版」は、
彼が作曲完成後、まもなく誰かの手によって
編曲されたものと思われる。

オリジナルの初演は、1824年のウィーン。
彼の故郷、ドイツのベルリンでの初演は、
1826年11月27日のことでした。

この初演にさき立ち、「ピアノによる第九」の演奏会が、同年11月12日に行われました。

この時のピアニストは、17歳のメンデルスゾーン。
彼は、暗譜で全曲を弾いたと、当時の音楽新聞に記事として残っています。

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1830年、17歳だったワーグナー。
第九に没頭した彼は、スコアを写譜したり、
ピアノ版に編曲したものを、ショット社へ持ち込んで出版を依頼した。

しかし、残念なことに、当時は、無名であった彼の企ては、実現しなかった。

1838年頃、パリでは第九を聴けるのが、3、4年に一度ほどで、パリで音楽を学んでいる学生たちは、管弦楽の代わりに、ピアノで、第九を楽しんだ。

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リストは、1851年に二台ピアノのために編曲し、 一台ピアノのためには、1863~64年に編曲し出版をしている。

彼の初期におけるピアノ演奏のレパートリーは、ベートーヴェンの交響曲編曲がもっとも人気の的で、
また、この頃になると、家庭にピアノが普及”し、ピアノ編曲の楽譜も売れ始めた時代”でもあった。

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1882年頃、ドビュッシーも習作として、
三台ピアノのために編曲をし、また、ピアノの名手ブゾーニは、リストの二台ピアノのための第九の編曲を、1900年にワイマールで演奏している。

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さて、21世紀におけるベートーヴェン、
”第九のピアノ編曲の決定版”を目指して、
あなたも、先達の大音楽家たちの試みに
チャレンジしてみませんか?

ひょっとすると、音楽史に名前を残せるかも。

(MIYABI)

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