オランダ水道水の話
2週間程前にフローニンゲンの我が家に日本から友人が遊びにきた。彼はパリやブリュッセルやアムステルダムにも行きたいとのことで、我が家には1泊しかせずに旅立っていった訳だけれど、その時ふと気づいたことがある。
友人はしきりに「ペットボトルの水を買っておかなきゃ」と連呼していたのだ。おそらく久しぶりの海外だったようだし、水には気をつけなきゃね、という事で念には念をでペットボトルの水を買いたかったようだ。
そんなものを買う必要は全くない。
我が家はかれこれ3ヶ月、ペットボトルの水は1本しか買ったことがない。それも出かける際に娘の水筒を家に忘れた時だけだ。
我が家は飲料水も調理用の水も全てキッチンの蛇口の水100パーセントで賄っている。
確かにスイスに駐在していた時は硬水というか独特の重さ、みたいなものが嫌でブリタの浄水器を使っていた。
群馬、ニュージーランド、八王子、帯広、札幌、世田谷、スイス、埼玉三郷、甲信越に住んだ事があり、20回の引っ越しを経験した私にとって、水質や硬度によって飲みづらいなと感じたのはスイスくらいなものだ。他は多少の差こそあれ問題なく飲める。日本で言えばエリアによる水質よりも住んでいる物件の上水道の清潔さや錆の有無の方が味を左右するのではないかと思っている。
さて、ここオランダのフローニンゲンの水も幸いなことに全く問題なく飲むことができる。
主観で物を言ってはいけないので少しだけ調べてみた。
フローニンゲンの硬水レベルはドイツ硬度という尺度で言うところの7.7。
ドイツ硬度の基準では20度以上の水を硬水、10度以下の水を軟水と言うらしいので、その分類によればオランダの水道水は軟水ということになる。
デュッセルドルフは13.8である。
しかしながら東京は4.6であるから日本から見ればオランダは相対的に硬水となる。
別の指標ではお水1リットルあたりに含まれるカルシウムやマグネシウムを数値化した数値を硬度として使っており、WHOは120未満を軟水、以上を硬水と分類している。
その分類によるとオランダは142mg、フランスは280mg、日本の平均は48.9mgとなっている。
つまりオランダの水は日本よりも硬水だけど、ヨーロッパの中では軟水と言える。
という事で私のバカ舌の記憶もまんざら間違いではなく、きっとスイスの水もオランダより硬水だから飲みにくかったのだろう。(スイスの水の硬度だけは上手くネットでヒットしなかったのでご容赦してもらいたい。でも、きっとモンブランとかマッターホルンとかまさにザ、ヨーロッパというロケーションなんだからゴリゴリの硬水に違いない。)
だからスイス滞在中はサンペレグリーノという炭酸水を毎日買っていた。
結論、オランダの水道水はおそらく日本人なら問題なく飲める。
事実、冒頭の友人も我が家の水道水を飲んで「全然問題ないじゃん」と言って手持ちの空のペットボトルに水道水を補給して旅立っていった。
でも本当に硬度とかじゃなくて清潔さの問題で水を買わなくてはならない国に住むとなると大変だろう。お金もかかるし、運搬も労力が必要だし、保管にもスペースが必要だ。
水ってとても大切だ。
あー、お仕事したい。