見出し画像

NZ、スイス、オランダと3カ国住んだお仕事やめ太郎の安全と人種差別に関する雑記

ニュージーランドとスイスとオランダ、3カ国に住んでみたけど今の所の結論としてはオランダが一番安全で人種差別も少ない。

これはあくまでお仕事やめ太郎の超個人的且つ定性的な見解ではあるけれど実体験に基づくおっさんの話として聞いて欲しい。いくつかの国をディスっているけど年代も違うし個人的な経験だったりするのでどうか許して欲しい。

でもちょっとだけ公的なデータも眺めてみたのでまずはそちらを共有したい。

外務省の2022年海外法人援護統計によると、世界各地の大使館や領事館が把握している犯罪被害件数は年間で1,122件。実はそのうち欧州が700件と断トツで多い。内訳は窃盗504件、詐欺110件、障害・暴行22件、強盗・強奪21件、続いて強制猥褻、恐喝となっている。

国別の犯罪件数の内訳は示されていないが、この統計とは別に国毎の安全対策基礎データなるものを発見した。こちらはオランダのそれ。

2023年のオランダにおける日本人の盗難(置き引き、ひったくり等)被害は、56件あったようだ。そこそこの件数ではあるがそれでも6日に1件程度のペースである。

被害の手口はどういった物かというとスリ、置き引きという感じだ。

これがスイスの頁を見ると、空き巣やクレジットカード詐欺、イタリアではぼったくりバー、フランスになるとバイクひったくり、強盗、性犯罪、など手口がより悪質になっている。まあ日本人居住者数や旅行者数の差による所も多いとは思うけど。

でもやはりオランダでは軽犯罪程度の被害がほとんどで、身体的な被害まではないようだ。

ちなみにイギリスの頁では大きくテロに対する注意喚起が記されている。私がスイス駐在時代にイギリス出張した際も高速道路脇にあるソニーの工場が暴徒によって破壊されて炎上していた。イギリスはこういったダイナミックな身の危険を感じる話が結構多い。

安全対策基礎データを眺めていて、意外だったのがニュージーランドだ。安全なイメージがあるニュージーランドであるが、その頁にはこうある。

「飲酒に絡む暴行・傷害、置引きや車上ねらい、空き巣等の窃盗事件が多発しています。性犯罪の発生率も日本と比べると断然高く、「ニュージーランドは安全である」と過信して安心することのないようにしてください。このほか、違法薬物の使用が問題になっているとともに、犯罪組織(いわゆるギャング)の抗争もしばしば発生しています。」と。

お仕事やめ太郎が高校時代にニュージーランドに留学したのは1997年。もう27年も前だ。

ホークスベイという田舎の街の学校に通っていたけど、普通にあどけない16歳くらいの女の子が隣の席から筆箱を開けて「いいマリファナあるんだけど5ドルでどう?」みたいな感じで話しかけてきたのが衝撃的だった。まあ、今となってはオランダなんて大麻は合法だしフローニンゲンの街にも至る所にマリファナショップはあるし、たまにガリガリのジャンキーみたいのが歩いてるけど。
でも、違法は違法だし、合法は合法なのだ。

そしてニュージーランドで最も嫌だったのは街中を歩いている時に100メートルくらい離れた所から叫ぶように浴びせられる人種差別ワードだ。「fu●●ing yellow Japanese,cock s●●●●r」みたいな感じだ。

おそらく8ヶ月の滞在で50回くらいは経験した。

身体的な被害はなくてもそういう言葉は沈殿していって10代の若者には結構暗い影を落とすものだ。

あくまでこのニュージーランドの話も30年近く前の話。今はそんなに差別はない事を願っている。


スイスに駐在したのは2011年の震災の後だった。2年半の間で2回財布を取られそうになった。

1度目は、柔道しようぜ、とまだ15歳くらいの南米系に見える若者が握手を求めて来たので無視していると組み手のように手を伸ばしてきた。向こうはまだ成長期で体重も50キロも無さそうな子供だけどあまりにしつこいので大外刈りの要領で投げると倒れた相手は手に私の財布を握っていた。もちろん奪い返して大変申し訳ないけど腿に思いっきり蹴りを入れさせてもらった。

2度目はトラムの中で背中に違和感を感じるとそこらへんにいそうな普通のおじいちゃんが私のカバンのジッパーを開けていた。こちらも大変申し訳ないけどボディーに一発入れて撃退した。

ちなみに私は非常に温厚な人間だと自分では思っていて、日本で人を殴ったことは一度もない。

海外では時に修羅にならねばならぬ時もあるのだ。

その他、スイスでは同じ会社の日本人の先輩が空き巣に入られたり(窓ガラスを割って侵入)、日本人の同期が歩いている所をマヨネーズをかけられてあたふたしている所をカバンめがけてナイフで切りつけてきたりと周囲の日本人も結構怖い目にあっている。駐在員の奥様はもれなくカバンからiphoneを盗まれている。もれなく、だ。ほとんど全員って感じだ。

一番衝撃的だったのはスイス大使館からのメールで「某超高級●●●ホテルの地下駐車場で日本人男性が車から出たところを暴漢に襲われて全治数週間の怪我、財布盗まれた」との注意喚起メールが来たことだった。そのホテルはジュネーブのど真ん中。国連やWHO、IOCなどの国際機関が集まるその街で日本人がそれほどの犯罪に巻き込まれるとは。。。

他にも職場の同僚のイギリス人が家の玄関を開けると覚醒剤の注射針が何十本も落ちていて、それに嫌気がさして国に帰ったりとか。スイスはそれなりに危なかった。

そしてオランダ。まだ3ヶ月しかいないけど。ここは安全だ。

今まで言葉による差別も身に危険を感じた事も一度もない。

なんなら、学生や会社勤めをしていたニュージーランドやスイスでは日中は基本建物の中にいるので社会との交流や街中を歩くことも少ないが、今は専業主夫。
毎日買い物に出かけるし、街や公園にも行くし、多くの人とすれ違う。人との接点は増えているはずなのに嫌な経験は「一度も」ない。

娘を自転車の後部のチャイルドシートに乗せてサイクリングをしていれば、すれ違うほとんどの人が「後ろの席で赤ちゃん首曲げて寝てるけど大丈夫?」とか「ヘルメットの顎紐はちゃんと結んであるの?赤ちゃんが落っこちないように気をつけてね」とか心配してめちゃめちゃ話しかけてくる。

街を歩いていても娘を目掛けて「mooi(かわいい)」の連発ですれ違う人々はみんなニコニコしながら我々に挨拶してくる。そして娘の頭を撫でていく。

スーパーや市場でひとりで買い物をしても「あなたは旅行?それともここに住んでいるの?住んでいるのね!楽しくやってる?また来てね」と驚くほどフレンドリーだ。

スイスで買い物などをしていてもこのように話しかけられる事はまずなかった。それに財布やカバンにいつも注意を払わなくてはならなかったから外出するのが億劫だった。

オランダはどうだろう、スーパーで娘が一人で離れても安全(どこかのおばちゃんと話をしているし面倒見てくれてる)、自転車に娘のヘルメットを置き忘れて半日忘れていても盗まれていない(スイスなら秒で盗まれる)。

とにかく安全。差別もない。オランダにはストレスがない。

我々が住んでいるのがアムステルダムやロッテルダムなどの都会ではなく北部のフローニンゲンの更に隣の村という事もあるだろう。基本都会は世界のどこでも移民の比率が地方に比べて高くなり、人と人の交流はドライになるものだ。

海外で暮らす際に、素敵な街並みや利便性、自然環境など人それぞれの判断基準があると思うけど、お仕事やめ太郎のそれは断トツで「安全性とノンストレス」であることだ。なんだかタイヤメーカーの謳い文句みたいだけどこれに限る。

そしてオランダの今の環境は完全にそれを満たしている。

世界は広くてオランダよりも更に安全な国はあるだろうし、いやいやオランダだって危険だよ、と言う人もいるかもしれない。
でも私は現時点では日本と同等かそれ以上に安全でノンストレスな国だと感じている。

最後にニュージーランドもスイスもいいところで、いつかはニュージーランドにフライフィッシングに訪れたいし、スイスのマッターホルンも再訪したい。全然嫌いじゃない。なんなら出来ればその2カ国に移住したいくらいだったけど諸々の条件が厳しくてオランダに移住した経緯があるくらいだ。

でも、蓋を開けてみたらオランダ、いいとこだった。

ニジマスがいる川とトレッキングできる山がないのは残念だけど。

あー、お仕事したい。







この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?