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ep.108 だいじょうぶじゃないって言ってもいい愛

「だいじょうぶ」の返事は、時々さびしくさせてしまう、ということを近ごろ学んでいる。悲しかった、しんどかった、心細かった。そんなふうに言うのはまた素直になる練習が必要でもあって。

余計なところでは甘ったれられるのに肝心なとき素直になれない、なんてこの歳になっても全然ある。うじうじ後悔する夜も多々ある。

「だいじょうぶ?」と手を伸ばしてくれる人、「だいじょうぶじゃないって言ってもいいし、なんにも言わなくてもいい」と待っていてくれる人。わたしがずっと大切に手を握っていたい人たち。

こんばんは。たまです。忙しない毎日でも、忘れたくない愛があること、ちゃんと握っていられますように。


ここは、小さなラジオブース、あるいは寝る前の談話室。金曜日は枕元のおとも「今夜の1曲」をお送りいたします。


今夜の1曲

Louis ArmstrongOn The Sunny Side Of The Street を。

最近は近所の中華やモスバーガーには出ず、もっぱら持参したお弁当を温めて自席にて昼食にしている。夕飯の残りと白米をタッパにつめたやつ。

色気はないわたしの昼休みだけど、密かなたのしみがある。朝ドラ『カムカムエヴリバディ』だ。かつて虫食いまばらに見たこの名作の再放送に、職場のテレビでちゃっかり改めて浸っている。この歌は、ドラマの鍵となる愛の歌。

ぼろぼろに深く傷ついたことで、海を歩み進んでしまう錠一郎を、るいが抱き止めにいく。「怖がらんでいい、わたしが守る」と話するいの表情は慈愛に満ちていて。

なお、この数話前に、るいが心身に抱えてきた傷を錠一郎が( 試着室で…!くぅ〜〜 )抱きしめるシーンもあって、そのときの彼の横顔もまたずっと穏やかだった。

傷を受け止めたいと願う愛。サニーサイドを歩いていくんだという意志。手を繋ぐ、抱きしめる喜び。

うるうる泣きそうなのをこらえ眉間に力を入れながら、ゆでたまごを懸命に咀嚼した。暗闇の日々だっていっしょにいていいんだね、わたしたち。たいせつに想う人とも、あたたかな音楽とも。


チョコ食べていいってことだよね、解釈は自由だもんね、食べるよわたしは夜だろうと!

今週もおつかれさまでした。あなたも、わたしも。

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