不均衡な未来
いくつもあると思っていたはずの道のりは
やがて一つの道となり
その道も
徐々に道幅が狭くなって
気づけば私の目の前には
一個の平均台だけが残された。
引き返すこともできず
そこから転げ落ちないように
両手を広げ
一歩一歩、進んでいく。
平均台の外は真っ暗闇で
落ちたら、最後。
もう這い上がれない。
それなのに
私の横の彼も、彼女も
ロンダートで駆け抜け
軽やかに飛び降りていく。
薄暗い気持ちが頭をもたげる。
平均台の先には、終わりがあるのだろうか。
加速をして、倒立をして、ジャンプをして
きちっと着地ができなくても
死にはしないのかもしれない。
あるいは
別の平均台に飛び移ることだって
できるのかもしれいない。
なめくじのようにはいつくばって
身動きのとれない私は
平均台から飛び降りる日の夢をみる。