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人生のどん底へ、挫折を経験し営業職を全うすると決めた覚悟
大事故から約3ヶ月の年月が経過し、改めて職場に復帰しました。会社に到着するや否や大阪支社の支店長に呼び出されました。大目玉を食らうことは十分覚悟の上、着席しました。そこで支店長から出てきた言葉は意外なものでした。
「両親やお前を応援してくれる人、周りの仲間に迷惑をかけるな」その一言でした。たくさん言葉を伝えられると要点が分からず結局何が言いたかったのだろうと振り返り内容がぼやけることが多いのですが、シンプルに伝えたい内容だけ伝えられるといつまでもその一言が脳裏に沁みついて覚えているのです。
営業職でのやらかしエピソードは下記を是非ご参照ください。
1.初めての部署異動
足の怪我を考慮してという名目で私は総務部に異動となりました。毎朝9時に出社しては18時過ぎに退社という特に業務内容に変わり映えのない仕事をずっと続けていました。
「このままでは自分自身が腐ってしまう」そんな不安感を抱いていたのを覚えています。そんな総務時代にある人が必ずランチの時間になると声を掛けてくれて、外に連れ出してくれました。事故を起こす前に所属していたチームリーダーです。その人は「営業職に参考になるからあの本を読んだ方がいい」と本をプレゼントしてくれたり、おすすめの本を教えてくれたりしました。スティーブン・R・コヴィーの【7つの習慣】とカーネギーの【人を動かす】が印象的で私の中で人生のバイブル本になっています。
また提案の質を上げたいと思い、そのチームリーダーに「話し方教室に行ってみては?」とアドバイスを受け、仕事終わりに通ったりもしました。腹式呼吸での発声練習から3分間スピーチの話の仕方など今でもその記憶は残っており、営業の基本となっています。
2.営業への復帰、2度目の失敗
いつか営業に戻りたい、戻った時には即戦力になりたいという強い想いを持ちながら総務での業務をこなすこと4ヶ月、ある日チームリーダーに声をかけられて「営業として戻る気持ちはあるか?」と相談をいただきました。私はやっぱり営業が好きだし、迷惑をかけたチームリーダーやメンバーの皆さんのためにも力になりたいという思いで二つ返事をしました。チームリーダーは支店長に「もう一度チャンスをやってください」と頭を下げてくれました。当然私もその場にいたのですが、絶対成功してやるという意気込みを持って熱意を支店長に伝え続けました。
約8か月ぶりの営業復帰、会社の皆さんに迷惑をかけた分、絶対に恩返しするんだという強い気持ちが自分を間違った方向へ導いてしまいます。ある日大阪の北新地という繁華街を飛込み営業していた時のことです。当時、営業復帰して担当クライアントを引き継いで間もない飲食店へご挨拶して、現状のヒアリングを行っていました。ある飲食店クライアントの社長から「広告費を捻出して効果として5倍戻って来るなら月額20万円支払ってもいい。」と言われたのです。今考えると「効果として戻って来るなら」ってそりゃそうだろって感じですよね。費用対効果が必ず取れる広告なら誰でもやります。帰社後に直属の上長に相談したところ、「広告効果として5倍ならいけるんちゃうかなぁ~」と言われそれを鵜呑みにして提案を後日行いました。案の定先方からもゴーサインが出て契約締結したのですが、、「広告効果を保証する誓約書を書いて母印を押せ」と言われたのです。
大型受注であったため私も気が動転していたのだと思います。その場で誓約書を書いて母印を押しました。これが最初で最後の運の尽き。この後お世話になったチームリーダーにも会社にも迷惑を被ることになります。
3.会社からの制裁、懲罰諮問会議へ
掲載を始めて数ヶ月、「集客の反応がない」と定期訪問の中で何度も苦情がありました。そうです、CVをどこに置いてるのかも先方と握らずただただクライアントからの集計状況だけでジャッジされていました。飲食店であったため12月の繁忙期が過ぎた1月の打合せでようやく、「今でようやくトントン(広告効果で元が取れた)」と言われました。私は危機感しか感じておらず、ここで初めてチームリーダーに相談しました。あの営業に戻してくれた、信頼を置いていたチームリーダーにです。ところが、チームリーダーから受けたアドバイスが意外なものだったのです。「今でトントンなら増額すれば必ずクライアントのプラスになる」唖然としました。もうこんな苦しむことから脱したいと思っていましたが、尊敬するチームリーダーのアドバイスに口答えはできませんでした。チームリーダーに同席いただき、アップセルの提案。返ってきた答えは、「分かった。もう一度一筆書け」そりゃそうなりますよね。私がペンを持った時に止めてほしかった。ペンを持って30秒は何も書かずに待っていました。
何も言ってくれない。止めてくれない。そのまま一筆と母印を押しました。クライアントの店舗を出た後、チームリーダーは困った顔をしていましたがその場を引き返すことなく私は再度地獄の沼にはまっていくことになりました。忘年会シーズンが飲食店の売上のピーク。ここから先方の求める費用対効果が出る訳もなく(なにせクライアントの集計状況なので何とでも言えることが出来る)最終的には会社に報告せざるを得ない状況にまで悪化していました。大阪支店長に報告し、本社のコンプライアンス室が来阪し経緯を調査していたみたいです。そしてその後社長を含む役員との間で懲罰諮問会議にかけられました。「もしかしたらクビかも知れない」ずっとビクビクしていたのを覚えています。その後、出た結果は…大阪支店長、チームリーダー、私の賞与10%カット。正直ホッとしました。もう本当にダメかと思った。後からコンプライアンス室に聞いた話によると、大阪支店の様々営業メンバーに私の普段の姿勢や行動のヒアリングを行ったところ、「〇〇(私)は本当に営業を頑張っていた、悪い奴じゃない」という声がものすごく多かったそうです。泣
これが私の人生のどん底です。営業を降格され、それでも営業に戻れて勝ち抜くには厳しい環境を乗り越えないと認めてもらえない状況の中で一つの判断の間違いが起こした出来事。ここから真っ当に営業を行い(当たり前)成長していく生き様をお伝えできればと思います💁♂️