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宇宙人グレイちゃん

こんにちは。
今日はわたしの妄想小話。
「宇宙人グレイちゃん」をお楽しみください。

星の崩壊


この銀河系にはたくさんの宇宙人がいます。
今日は「グレイ」という宇宙人についておはなしします。

グレイという種族は、
あらゆる技術開発に熱心な賢い宇宙人といえます。

そして、
世の中をもっと便利に、
合理的にと、
あらゆるエネルギー開発に熱心に取り組みました。

そして、
原子力エネルギーの開発にも着手したのです。
しかし、
このエネルギーはとても扱いが難しく、
大きな危険と代償を払うものでしたが、
グレイちゃんはそのことを知りませんでした。

原子力エネルギーは、まさに「パンドラの箱」だったのです。

そんな原子力エネルギーを駆使した開発をすすめたため、
ある日、グレイちゃんの星は原子力エネルギーの大爆発を起こし、
住むことができなくなってしまいました。


心の崩壊


自分の星を失ったグレイちゃんは、
あまりのショックに耐えられず、
お得意の合理性が勝り、
とうとう自分達の心を消してしまったのです、、、!

そうすれば、
苦しんだり、悲しんだりしなくてすむ!

こうして、
グレイちゃんの種族は心を失いはじめました。

するとどうでしょう、、、

悲しみと同時に、
喜びも、楽しさもなくなってしまいました。

すべてを合理的に、苦労なくというのが目的でしたが、
愛することの喜びや悲しみもなくなり、
出産という産みの苦しみもなくなり、
次第に繁殖機能も衰え、
生きることの喜びさえ失いました。

そのため、
命のいとなみが続かなくなり、
種の存続という危機に陥ってしまったのです。

こうしてグレイちゃんは、
初めて自分たちが捨て去ったもの、
「心」の大切さを知ったのです。

しかし時すでに遅し、、、

自分たちは子供が産めず、
このままではグレイという種族が
滅亡に向かうことを知って、問題解決に着手します。


ねらわれた地球人


そこで、
別の種族の繁殖機能を利用することにしました。

そして利用されたのが「地球人」だったのです。

グレイちゃんは地球人を一時的に保護し、
地球人の子宮にグレイの種を植えました。

地球人は未だかつてないほどに怯えました。
恐怖におののき、
精神の糸が切れ、
狂気の沙汰となったのです。

けれども、
悲しいことにグレイちゃんは、
地球人が感じる恐怖を理解することは出来ませんでした。
そんなこともあって、
繁殖も思うように上手くいきませんでした。

グレイちゃんは、
地球人の様子がおかしいことは分かりました。


地球人を知りたい


その考えがグレイちゃんの意識に芽生え、
自分たちが放棄した「心」を求めるようになりました。
しかし、
いたずらに原子力エネルギーをもてあそんだ代償は大きく、
心を取り戻すことは、
テクノロジーでは叶いませんでした。

そこでグレイちゃんは、
地球人の心を計測する機器を開発したのです。
そして再び地球人を一時的に保護し、
地球人の体内にこの機器を埋め込み、
地球に戻しました。

けれども、
地球人にとって、この一連の作業は、
宇宙人による誘拐と、
得体の知れないものを体内に埋め込まれた、
恐怖体験として残りました。

そのため、
グレイちゃんが埋め込んだ感情計測器も
地球人の恐怖や狂気が際立って、思うようにいきませんでした。
自分たちの一連の作業が、
地球人にとって脅威であることだけを理解したのです。

しかし、
グレイちゃんはあきらめませんでした。
保護した地球人にグレイの種を植えたり、
感情計測器を埋め込んだあとは、
地球人から、この一連の記憶を消してから、
地上に戻すことにしたのです。


意識の変化


こうして、
一握りの地球人は、
無意識にグレイちゃんの種の存続の実験に利用されました。

そうしているうちに、
無意識にグレイちゃんと関わることで、
グレイちゃんの意識が地球人にも芽生え、
合理性が勝り、
自分たちが優位な立場で生きるため、
他人を利用する人が増えていきました。

そして、
合理的に問題を解決するようになりました。

自然界の流れに沿った進化よりも遺伝子操作を、
生殖機能が正常でなければ代理出産を、
自分の姿に満足しなければ整形手術を、
内臓が機能しなくなったら臓器移植を、

科学技術が力をもち、
優しさや思いやりを失い、
感情の乏しさが実態のある豊かさを求めはじめました。

そして、
科学技術を過度に利用したことで、
土地や、水、日照や気温、空気のバランスが崩れると同時に、
生態系のバランスが崩れていきました。
地球環境のバランスが崩れていく現象に気づいた人は、


なんとなくおかしな方向に私たちは向かっているんじゃないか?

という考えが浮かんだとき、
地球人は寸でのところで気づきました。


豊かさや価値を取り違えていたのかもしれない

そして、
どうしてこうなってしまったんだろうと
自分自身のあり方と向き合い、
心を取り戻しはじめます。

そして、
潜在意識にあるグレイちゃんの掃除をはじめたのです。
心の深いところにある無意識や潜在意識を見つめるようになり、

心は自由である。
誰からも、何の制限も受けないし、
どう感じるかは完全に自由である。

それを、自分や誰か、あるいは何かによってコントロールすると、
人間関係や社会問題、生態系や地球環境などの、
現実問題となって浮上することを理解したのです。


あるがままに生きる


それは、
それぞれがそれぞれの生き方としてゆるすこと

地球の人びとがそのように感じはじめたとき、
グレイちゃんは気がつきました。


地球の人びとにしていたことは、
むかし、我々が滅亡へと向かっていったやり方と同じだ、、、

そう理解すると、
地球人の「心」を活かすかたちで、
人びとの進化を導く方法を考えるようになりました。

そうやって、
地球人のお手伝いをしているうちに、
心という機能が僅かに動きはじめました。

いつか、あらゆる不調和が調和へと向かい、
地球人に関わるグレイちゃんもいつか心を取り戻します。


おしまい

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あめつち
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