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データアナリストのキャリアにとって大切な「PDCAサイクルの速さ」について考える

株式会社リーン・ニシカタの西方智晃(にしかたともあき)と申します。

 先日は、データアナリティクスの観点からゲーム分析がおもしろい3つの理由というnoteを書かせていただきました。

今回は、データアナリストのキャリアにとって大切な「PDCAサイクルの速さ」について書いていきたいと思います。

アウトプットの量がデータアナリストのスキルを左右する

先日のnoteにも書きましたが、データ分析のPDCAサイクルの速さはデータアナリストが出すアウトプットの量に影響します。

分析スキルを磨くためにはアウトプットの量が必要です。だからこそ、データアナリストは月1でアウトプットを出す環境に身を置くのと週1でアウトプットを出す環境に身を置くのとでは、同じ期間を過ごした場合、それだけで4倍の差がついてしまうと言えます。

もちろん、データアナリストに必要なスキルは、ハードスキルには限りません。
ハードスキル以上に、ソフトスキルが必要ということは先日、株式会社GENDA様と共催したイベントでも議論になりました。

その上で、今後データアナリストとしての長期的なキャリアを考えている皆様には、ぜひアウトプットを出す頻度が多い環境をお勧めしたいと思っています。

先日のnoteにも書きましたが、ゲーム業界は他の業界と比較して比較的PDCAサイクルの速い業界であると言えます。

ここからは、ゲーム分析の時間軸についてより理解を深めていただけるように、より詳しくゲーム分析のPDCAサイクルについて説明していきます。

ゲーム分析の時間軸

ゲーム分析には、大きく分けて次の3つの時間軸があります。

・短期的な施策の分析
・中期的な改善プランの分析
・長期的な戦略的分析

一般的には、短期的な施策の分析が60%、中期的な改善プランの分析が30%、長期的な戦略的分析が10%が理想だと考えています。ただし、ゲームの性質や状況によって異なるのであくまでも一つの例として受け止めてください。重要なのは、短期的な施策の分析と中期的な改善と、長期的な戦略の見直しにバランスよく取り組み、ゲームのユーザーエクスペリエンスを向上させることです。

短期的な施策の分析

短期的な施策の分析では、イベントやガチャなどの効果を迅速に評価し、PDCAサイクルを回します。短期的なPDCAサイクルにおいて、理想的な分析はガチャの結果を即座に振り返り、課題を抽出して次のガチャに反映することです。

ただし、現実的には開発のリードタイムや監修などの手続きの制約があり、迅速な反映が難しい場合もあります。それに対応するため、開発フロー自体に分析を組み込み、意思決定が迅速に行われる体制を整えることが重要です。

具体的には、ガチャが始まる前に分析の準備をし、ガチャの特徴やKPIを把握し、事前に決められた指標に基づいて結果を評価します。そのためには、準備されたレポートや分析指標を活用する仕組みが必要です。短期的なPDCAを実現するためには、即座に結果を分析し、目標達成を判断することが求められます。


中期的な改善プランの分析

最近の運営型タイトルでは、3ヶ月程度に一度大型キャンペーンを行うタイトルが多くなっており、「中期的な改善プランの改善=3ヶ月ごとの大型アップデートに対する改善プランの分析」としています。

中期的な分析では、3ヶ月ごとの大型アップデートについて、具体的なhowを検討する前に、どのようなターゲットのどのような課題を解決するのか、方針を決めるための分析がここでのトピックになります。

この分析は、探索型分析として仮説がない状態から課題を見つけなければならないケースが多く、データアナリストは分析スペックをゼロベースで設定する必要があります。ユーザーからの意見やセグメント分析を通じてヒントを得ることが重要であり、セグメントごとの遊び方や課題の特定も行います。大型アップデートの計画策定や施策の検証においては、開発側とのコミュニケーションや新機能のデータ収集が必要です。アプリの改善や新機能の効果を正しく判断するためには、適切な分析を行い、成功基準や失敗基準を明確にする必要があります。このような分析には時間とリソースが必要であり、事前に計画を立てることが重要です。

ゲームのリリース直後は想定外の問題に対応するために短期的な対応に時間を費やすことがあります。しかし、ユーザーの傾向や提供したい体験とユーザーのギャップを把握し、それに目を向けて3ヶ月間の計画を立てることが重要です。一般的に、ゲームの初期段階では早く気付くことが求められますが、約3ヶ月の期間で分析を行い、実装と効果の測定を行うことが多いです。特に0.5周年などのマイルストーンに合わせて実装や効果測定を行うケースが多いです。

長期的な分析

長期的な分析では、ゲーム全体の成長戦略や競合状況の分析を行い、将来の方向性を考えます。

また、ユーザーからの様々な意見に基づいてUIの変更や操作の改善など、細かな改修を頻繁に行うこともここに含まれます。

逆説的になりますが、すべての意思決定をデータにもとづいて行うことはできません。また、UIの変更が直接的に売上に影響するわけではないため、ここでは長期的なユーザーエクスペリエンスを考える視点が必要とされます。

ここまで、データアナリストのキャリアにとって「PDCAサイクルの速さ」が大切な理由と、ゲーム分析の時間軸についてご説明してきました。ゲーム分析は短期的な施策をまわすことでたくさんの打席に立てるだけではなく、中長期的なゲームの戦略立案やユーザーフィードバックの収集など、データアナリストにとって必要なスキルを習得する近道のようなキャリアとも言えます。

さいごに

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最後までお読みいただきありがとうございました!


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