フリーター、無職になる
一度も就職活動をしなかった。
親の扶養内だったりショートタイム掛け持ちしたり、法か何かの改正でフルタイムになったり、頼みを断れなくてやっぱ掛け持ちしたけどつらすぎてやっぱ一本にしたり、
なんだかんだありつつ、学生という肩書を失った20歳から27歳までフリーターで生きてきた。学生時代を合わせれば11年もアルバイトをしている。
1, そもそも
正規雇用でなくとも生活できたのは、実家に生活費や家賃を入れなくてよかったから。
家庭崩壊なのかわからないけど、食事をはじめとした生活は共にしていないので、一般的な実家住みフリーターとは少し違うかもしれない。
だけど、必要経費が食費、日用品代、趣味代だけだったので、月10万あれば余裕のある生活ができる。
20代前半で後悔していることといえば、人前に出る機会が多かったので美容代が嵩んで貯金はできなかったこと。
趣味も楽しんだけれど、美醜にとらわれなければ100万は余裕で浮いたはずだ。
2, 転機といえば
美容整形をしたいと思ったからお金が欲しくて貯金を始めた。
整形は結局していない。
(厳密にいうとほくろ除去やハイフなどの肌治療は行った)
フリーターじゃ大した金額にならないし、正社員を目指した方がいいのかと思い始めた。
そのころ、大好きだった愛猫が亡くなった。
仕事をしたくないと思った。家から出なければもっと一緒にいられたのにと思った。深夜。休みますなんて言えるわけない、そもそも朝番の私が休んだら店が開かない。火葬にいけなかった。看取れてよかったんだと思うことにした。
でも、猫のために休みますって言えるところで働きたいなあ。
お金が欲しい気持ちと、いつでも仕事を休める環境にいたい気持ちで揺らいで、ちょうどいいタイミングがあったので退職することにした。
というのが7年弱いた前々職の話。27歳の話だ。
3, そして
次の職も、アルバイトで入社した。
未経験のオフィスワーク。探していた事務ではなかったけど、スキルを身につければ専門職的なのを目指せそうだと思って。
あと、正社員登用があった。自分はスキルも資格も経歴もないから最初から正社員で応募するのは無理だと思ったので、アルバイトから正社員登用実績がある会社に入ろうと思った。
だけど入ってみて、正社員になりたいとは言えなかった。
自分って責任感が強いんだな、と思った。
スキルも資格も経歴もなくても、私は覚えがいい。「初めてでこんなにできるなんて」と言われることが多いのは、お世辞だけではない自覚がある。
そんな私だけど、やはり未経験は未経験。初めて触ったMacbookは操作方法すらわからないし、業務のペースもつかめない。
他者から見て覚えがよくても、自分からすると何もできない。
何もできないのに、正社員になりたいとは言えなかった。
そうこうしているうちに、会社の内情を知るようになった。
もちろんここでは書けないが、このことを大企業勤めの知人に相談したところゾッとしていたので、きちんとした会社ではありえないことが起こっているようだった。
4, 最終的に
その書けない内情から紆余曲折…もないのだけど、とりあえず退職した。28歳になったばかりだった。入社前、どんなにつらくても30歳まではここで頑張ろうと思っていたのに。
仕事は楽しかったし、一緒に働く人たちも良い人ばかりだった。だから本当に残念なのだけど、ある日全員招集されて「来月給料払えないかもしれないからやめたければやめても仕方ないけど、やりがいある仕事だからみんなついてきてくれるよね?」みたいなことを長々と語られた。
その日に退職の意をチャットで送った。
労働の対価はやりがいより給料が良いと思うのは、私がフリーターだからではないと思いたい。
それから1か月。給料日が過ぎたけれど本当に給料は入ってない。
そのうえ、退職関係の書類について上司に何を聞いても「確認します!」しか返ってこない。計3回。もしかして言葉通り確認だけをしているんだろうか。確認したら私に連絡してもらっていいですか?
そんなわけで晴れて無職になったものの、金銭的にも書類関係も気が気じゃない生活を送っている。
今回はハローワークに行って雇用保険の給付をもらおうと思っていたのだけど、周りからさっさと次の仕事を探せとせっつかれてそのプランも崩れそう。
今の状態を時間の無駄と言われてしまうので本当に憂鬱を感じている。
そういうことを言われると、家族も友達も恩師も恋人もいらないな~とつくづく思ってしまう。かといって自主的に関係を切ることもできないのだけど。
無職でいるのには才能がいるらしい。
私はお金さえあれば無職でいつづけられる才能がある。本を読んだり、絵を描いたり、ゲームしたり。何かしらの物語に感銘を受けると考察したり自分の空想を小説にしたりする。
だけど実際はお金がないから働かないといけない。
働くと私は何もできなくなる。
普通の人みたいに仕事も趣味も両立できるようになれたらいいのに。
ロングスリーパーなせいもあって、8時間勤務だと日々寝不足で意識がもうろうとしていく。だから本も読めなくなるし、生産性とは程遠い。今は毎日何かしらできているから、無職だろうと幸福度が上がってる。
ずっと家にいるから、あんなに気にしていた容姿もコンプレックスに思わなくなってきた。
次はフルタイムじゃなくていいかな、と思っている。お金より、世間体より、大事なものがある。実際に求人情報を見る、少し未来の自分がどういう決断をするかはわからないけど。
ひとまず、もうしばらく無職を謳歌したいところ。
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