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森の生き物と木の実の関係
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森に付けているトレイルカメラ、昨年の冬から設置して今までに映ったものは、キタキツネ、エゾタヌキ、エゾユキウサギ、アライグマ、ゴジュウカラ?の5種でした。
そして、この日はエゾリスも仲間入り。
安価なトレイルカメラなので解像度は良くありませんが、どうやら地面に埋めた物を掘り出して食べている模様。秋口からこの辺りを走り回る姿をよく見ているので同一個体かと思います。
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この森にオニグルミは多くないのですが、どこからか集めてくるようで、このトレイルカメラを設置している付近の木材を片付けていたら、その下から実が出てきたこともありました。この果肉の中に、いわゆるクルミの実が入っています。
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きっとエゾリスが隠したに違いない。であればその辺に放り投げるのは申し訳ないので、すぐ近くの木の根元に隠し直してみました。気づくかなぁと思いながら数日後に様子をうかがうと・・・
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ちゃんとなくなっていました(笑)
エゾリスは冬眠をしないので、食料となるものを地面に埋めたり枝の間に挟んだりして冬の間の糧としています。これを貯食といって、この森にはエゾリス以外にも貯食をする生き物がいます。
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これはミヤマカケスという鳥で、こちらは毎日のようにドングリ集めに余念がありません。
オニグルミには豊富な脂質、ドングリには炭水化物が含まれ、かつ固い殻に覆われていて直ぐに腐ったりしません。餌資源の乏しくなる冬にはうってつけの食糧ですね。
ですが、タネは食べられてばかりではありません。母樹より遠くへ運ばれ土に埋められ、その中には忘れられたりして冬の間に食べられず残るものもあります。そうすれば、春にはそこで芽を出すことができるのです。植物は自力で移動することができないので、こうした生き物によって種子散布がなされている訳です。
食べられ過ぎてはダメだけど、食べられなさ過ぎてもダメ。絶妙なバランスで森は成り立っています。