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心揺さぶられる芸術
雨の予報が続く3連休の初日、弾丸で長野市へ行くことになった。長野県立美術館を目当てに、前日の夜に予約した新幹線で向かった。今回見た展示は、東山魁夷さんという方のものだった。
結論から言うと、23年とちょっと生きてきた中で1番見惚れた展示だった。熱心に美術館まわりをしていたわけではないが、まあまあ美術を楽しめる人、くらいには展示を見た中で今回が1番「この作品をずっと見ていたい」と感じた。それは今まで美術への投資など無関心だった私が、思わず作品選を購入してしまうほどだった。
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昔、noteで「秋」という文章を書いたことがある。
実は、今まで書いたnoteの中で1番好きな文章だ。(目を通していただけますと本当に嬉しいです)今日の展示を見ていると、自分のこの文章を思い出した。
東山さんの作品は、日本画で繊細な風景画が多かった。
まず、私は日本画が今まであまり好きではなかった。というのも、日本画は習字のように黒の濃淡、少ない配色で描かれた作品が多い気がしたからだ。せっかく世界にはたくさんの色があるのに、彩りが少ない作品はつまらないと感じていた。
しかし、東山さんの作品は日本画なのに色彩豊かだった。自然の微妙な色合いを繊細に再現している絵は、日本画なのに色が多い、、と感銘を受けたので、自分の中で新しい出会いだったんだと思う。解説を見ると、もともとは洋画を習いたかったらしいところを父親に反対されたと書いてあったので、それも洋画っぽい日本画である理由なのかもしれない。また、ヨーロッパにも訪れていたらしいので、ヨーロッパの鮮やかな街並みを知っているからこその色遣いなのかもしれない。洋画の鮮やかな彩りと日本画の淡いタッチが、自分好みに融合していた。
空を広大なキャンバスと呼ぶには、空に失礼じゃないか。こんなに落ち度のないグラデーションは、どんな技術を手に入れても人間には決して再現できないだろう。
自分のnoteにも書いたように、自然の色遣いは本当に真似できるようなものでなくて偉大な色彩だな、と空を見上げるたびに常々思う。人間が造ったものは、人間が造ったんだから、人間にも真似ができる。でも自然はそうはいかない。だからこそ私がすごいと思うのは、空を見上げた時と同じような感動を抱かせるように、自然や風景を描く人々だ。
普段私は芸術を目にする際、面白いなと思うものの、中にはあまり理解できない作品も実はとても多くて。そういうものは隣についている解説を読んで、その人の作品への意図や歴史背景とセットで面白いな、と感じるのがお決まりだ。でも今日の東山さんの展示はそうじゃなくて、ただ見て心が揺さぶられて、ずっとこの美しい絵を見ていたい、と感じた。そう思ったのは初めてだった。
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こんなに美術に対して何かを感じたのは初めてで、なんだか新しい世界を発見した時の気分です。東山さんの展示も良かったし、建物もとても良かったので、散歩とかでまた行きたいなあと思いました。他にもいろんな芸術に出会いたいなあ。