散文詩「苦杯」4杯目

自分の選択肢が間違っていたとは思わない
そうしなければ今の私はあの頃と同じ、何も出来ないままの私だっただろう

だが、それと引き換えに、私は貴方の顔に似合いもしない泣き顔を貼り付け、そして貴方の前から姿を消した

今になって私は過去に手を伸ばそうとする
その涙を拭えないものかと

矛盾に満ちた思考なのは分かっている
だが過去は私を引き寄せ、今の現実から遠ざけようとする
抗う術もなく、私はまやかしの希望を期待しながら、息が出来なくなる過去へと沈んでいく

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