ななしのごんべえ

思ったこと、空想、アイデアを気まぐれに書きます。

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マガジン

  • 小説「窓」

    ちょっと不思議な話。気まぐれに更新。

  • 散文「苦杯」

    私個人の失恋とその後悔からの産物。 心の瓦解から再生まで。

最近の記事

詩「生きがい」

貴方の心の中に咲いた花 枯れないよう、それに水をあげる これからの私の日課だ

    • 不可視の可視化

      あなたが差し伸べた手が触れて、私の心は温かくなる 物理的な観測は出来ないこの状態 だからこそ、言葉で伝えないと そうしてくれるあなたへの感謝を

      • 詩「人生の取捨選択」

        過去の亡霊に取り憑かれ、生きながらにして亡者と化していた 理屈は分かれど、戻せなかった思考 さながら、偏光レンズを通した世界のように 見えなくてもいいものを、無理にでも見ようとしていた しかし、突如砕かれたその世界 再び見えなくなった何かは、決して消えたわけではない でも、それでいい 無理に世界を広げなくても、元々見える範囲で十二分 ありのままが大切なんだ

        マガジン

        • 小説「窓」
          6本
        • 散文「苦杯」
          108本

        記事

          詩「人生の歩みの中で」

          地面に残る足跡 視線を進めるとアスファルト 土の足跡が暫く続くが、やがて何も残らなくなった これが人生だとして、どれだけの足跡を残せるのだろう? きっと多くはない 殆どがアスファルトではないだろうか そこに後世までの足跡を残せる者はほんの一握り そして最後に流れる大雨が、土を洗いさり、その痕跡はなくなる そう考えると意味のない人生に思えるかもしれない でも大切なのはそこではない 道中に会う人との会話、香る草花、程良い踏み心地の石、しょっぱい潮風、覆いかぶさ

          詩「人生の歩みの中で」

          詩「欲」

          水面を飛び出し空気に触れる指先 漸く息ができると思えば また引き戻されて沈み込む もがいたところで何も変わらず 浮かぶ光も徐々に暗く 届かぬようなら諦めようか? でも飛び込んだのは自分自身 底から掬い上げようとしたソレ 重すぎるから一度手を放してやる すると見る間に沈んで見えなくなる それでも、もう一度やってやろう 何度だって溺れてやるんだ

          詩「輪郭」

          「誰かを好きになること」 「誰かを嫉妬すること」 「誰かを愛すること」 「誰かを嫌いになること」 「誰かを愛おしく思うこと」 「誰かを失うこと」 沢山の思いが私の中で生まれた それは私の中で誰かの輪郭を作り上げた だが、最後にそれは消えていった 「誰かへの思いが無くなること、それは誰かを忘れること」

          決断

          何も見えない闇の中 腕を伸ばし、虚空に手をかけ横に引く カーテンの如く隙間が開き、眩い光が差し込む 開くほどに闇は消えていく すると闇を形成していた自責の念や後悔達は、光に照らされ消えていく 後には残った僅かなかけら 拾い上げ手に取ると砕け去った  何故こんな簡単なことが今まで出来なかったのか? それとも時間があったからこそこうなったのか?   いずれにしても、もうこの場所に要は無い 新たな方角へ歩を進める

          詩「写実主義」

          絵が得意なあなた 色彩の欠いた私の日常を艶やかなものに変えてくれた 何もないはずの場面ですら、鮮やかなものにしてくれる まるであなたの描く絵の中に入り込んでいるみたいに 時に絵の具が無くなることもあるだろう でも、そんな時は私が持ってくる だから、このままずっと見ていたい あなたが描く世界を

          苦悩の山

          苦悩は、人を終わりのないように思える深淵へ落とすことがある そんな時に見聞きする楽観的な他人の考えや、苦悩を忘れるような意見 それらは自分に届くことは殆どない 彼らが悪い訳ではない その深淵に未到達の者達には、所詮は想像で話すしか無いからだ 山登りをしたことのない人物に、山頂に行くまでの辛さや過酷さが分かるはずもないことと同じ 登るためには自分で進むしかない その先に開けた世界があると信じて

          書き起こしても伝わらない幸せ

          少しくしゃくしゃになった髪 手ぐしで整えるあなた 見つめていると気恥ずかしそうに目を逸らす 口元にはにかみを表して それをたまらなく愛おしく思い、抱きしめた 照れ笑いをしながら、あなたはそっと抱きしめて返してくれた 「好きだよ」 このまま時間が止まればいいのに

          書き起こしても伝わらない幸せ

          80km

          今まで遠くに思えていた距離 あなたがその先に待つとなれば、ほんの散歩の道のりへと変わる 「今日は何を話そう、どんなものを見よう、何を食べよう」 そんな高揚感を抱え、急足であなたがいる場所へ 小脇にあなたの好きなお菓子を置いて

          詩「高揚感」

          一歩踏み出すごとに、宙に浮くような感覚 抑えようとしても制御出来ない あなたに近づくにつれ、徐々に重力が減っていく もはや月面を歩いているような感覚 もしもこのままあなたに会ったら、私はロケットのように天に向かって飛んでいく気がする

          詩「女神」

          気付けば思い浮かべるあなたの笑顔 写真を見返し、釣られて笑う 会ったばかりなのに、もう次に会うことを考える 何処に行こう、何を食べよう でもそんなのもただの口実 ただ会うだけでいい それだけで安らぎを与えてくれる そんなあなたに会えた偶然 もう一生の運を使い切ったのではと不安になる でも、それでもいい あなたがいれば運はいらない これ以上に運が必要なことは多分ないから

          詩「暗闇の手綱」

          暗闇の中を進む 何も見えない恐怖に怯えていると、ぼんやりと輝く何かが近づく 手を差し伸べると、握り返した 正体もわからぬまま、導かれる その手の温もりは私に安心を与えた これで良い 全てを委ねて進むんだ

          詩「暗闇の手綱」

          詩「想い」

          明日が嫌だ 貴方に会うのが待ち遠しいから 今すぐここから駆け出して 貴方がいる場所に行けたら こんな風に考える自分が気恥ずかしくて でも楽しくて そう思っていると貴方からのメッセージ 内容は実はという出だしから、今思っていることを伝えてくれていた 殆ど私と同じだった 驚いた私も伝えてみると、なら良かったと返した貴方 やっぱり明日は嫌だ 貴方に今すぐ会いに行く