抒情詩「シルエット」

夕日が、見知らぬ2人を黒いシルエットにして、景色の中に浮かび上がらせている

そこに私と貴方の姿を貼り付けて、2人が楽しそうに並んで歩く姿を想像した

始まらなかった貴方との、ありもしない今を私は見ている

まだ少し心残りがあるのだろう

咄嗟に私の方を黒いシルエットに戻し、貴方が他の誰かといる光景にした

私の中に、悔しさや悲しさが少し浮かんだが、一方で貴方が楽しそうにしていることへの安心感もあった

そう思えるのは、それだけ大切に思える人だったからだろう

でももう私には要らない感情

ここの風景として置いていこう


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