過敏性腸症候群に支配されし私の人生
ちょっとお下品な話になるが、
私は365日24時間うんちのことを考えている。
始まりは中学2年生だった。
ある日突然、オナラが出まくるようになった。
我慢しても排出しても、出るわ出るわの大惨事。
オナラどころかうんちも行きたい。
オナラうんち腹痛のトリプルパンチでとても授業どころではなかった。
病院で「過敏性腸症候群」と診断された。
聞いたことがある人も多いのではないだろうか。
過敏性腸症候群とは、簡単に言えばお腹の状態が不安定になりオナラ腹痛下痢便秘を繰り返す病気である。
なんという悪病。
当時は今ほどメジャーな病気ではなかったと思う。
中学2年の女子といえば思春期真っ只中なのに、オナラが止まらないなんて地獄のようだ。
いや、本当に地獄だった。
ガスピタンをお守り代わりにスカートのポケットに入れ、今日はお腹が平和でありますようにと祈る。
登校前に何度もトイレにこもり、できるだけ全てのガスとうんちをお腹から排出する。
まぁこんなことをしてもすぐにお腹にガスは溜まり、ぼこぼこ音を立てて爆発するのだが。
修学旅行はとにかく辛かった。
ずっと誰かが近くにいるので排出タイミングがない。
みんなが寝静まった深夜に1人、遠く離れた共同トイレにうんちをしに行くのが私の定番行事だった。
友達を起こして連れション?幽霊が怖い?
誰かにブリブリ音を聞かれることの方が100倍怖い。
共同トイレで排出している間、私は世界で最も幽霊に強く、最もハッピーな人間だった。
社会人になっても絶賛「過敏性腸症候群」だ。
朝の30分、帰宅して最低でも1時間は便座に座っている。
出なければ 出るまで出そう うんちをね。
こんな最悪な短歌が詠める。
しかし幸いなことに、長時間便座に座って力んでいるのに、27年間一度も痔になったことがない。
私のうんち史に残る誇るべきポイントだ。
過敏性腸症候群に人生を支配された私。
この病気の治療法は見つかっておらず、とにかくストレスをためないことが大切なのだそう。
私がうんちのことを考えなければ、もしかするとストレスが軽減し症状が和らぐかもしれない。
でも、
もちろん、
今もうんちのことを考えている。
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