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お弁当の向こう側[6月振り返り]

こんばんは、茗花です。

 今年もちょうど半分が過ぎました。
ちょっと今回はノートに先月の振り返りを書こうかなと。
 ちっぽけな内容だけど、私には大事な学びだったことをひとつ、読んでくださっている皆さんに共有したいと思います。

 私、今大学を休学してて、今月から海外に留学に行くんです。そのための準備期間として6月はまるまる1カ月間、実家に帰っていました。準備だけではどうしても時間が余ってしまうので、新しくバイトを始めました。定食屋さんのバイトです。
 その定食屋ではお弁当の注文も承っていて、私は1カ月のトータルで1000個くらい、マスターとバイトのおばちゃん達と夜なべしてせっせと作っていました。

ちゃんと人に食べてもらうためにお弁当を作る、という経験ははじめてでした。唐揚げなんて形も大きさもバラバラで決まったところに収まらない。下に敷くレタスも大きくてお弁当箱からはみ出しちゃう。むずかしい。
ええい。もう箱に全部収まればいいでしょう。どんどん入れてけーーなんてやっていたら、マスターからストップがかかりました。

「今作ってる弁当、君らから見ていくらで買いたいと思う?」
「800円くらいですかね」
「これね、依頼先から1個1000円貰ってるの。
弁当はね、芸術だよ。アート。ただ入れるもの詰めればいいんじゃないよ。半日頑張って、やっとご飯だ、って人が食べるんだよ。開けたときにわぁ!!って感動できるものを僕らは作らなきゃいけないんだ。弁当を楽しみに開ける人、弁当を味わって食べる人、お弁当の向こう側にいる人のことを想像して作るから丁寧で美味しそうな弁当ができるんだよ。わかった?」

 私はこの言葉でハッとした。お弁当を作る人にも込められた想いがあって、消費する側の気持ちを想像して作ってくれているのかと。気づいてなかった、考えたことなかった。生業としてものをつくる側、届ける側の想いというものに初めてちゃんと触れた気がしました。
 私は将来ものづくりをする人間になりたいと思っています。ものづくりという仕事は使ってくれる人がいてはじめて成り立つもので、自分の向こう側にいる見えない誰かを想う気持ちがきっと向こう側の人にも届くんじゃないかと思いますし、届いた人には幸せを届けられるのでしょう。
 弁当を作りながら「食べる人を感動させて幸せにするんだぞー」って気持ちを込めながらフタをしていました。
 何かを頑張る理由が自分以外のほかの誰かになると、私は何倍か頑張ってできることが多くなる気がします。だから私が頑張る理由が「その向こう側にいる人」になるような、そんな仕事に将来就きたいと思うし、今回そのことに気づくことができたのは幸運だったなって心から思っています。

 私は今後生涯ずっと、この出来事を忘れずに大事にしておくつもりです。自分が向こう側の人間であるときは作り手の気持ちを想像して感謝をしよう。
 このことが学べた日、バイトはじめて良かった、ここに来て良かった、と思いました。
6月の1ヶ月間まるまる定食屋さんのバイトをしていました。よい6月だった。

おやすむ!

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