変わらないでほしい
今日から推しに会えなくなる、1年半。
数日前の夜。
スマホを見ると通知が溜まっていた。
何気なくタップすると
"活動休止のお知らせ"の文字。
全身に緊張が走ってパニックになりながらも
内容を確認する。
そこには推しが
ある理由から1年半は活動を休止すること、
そして来年戻ってくるということが
書かれていた。
ただ声をあげて泣いた。
今こんなことが起こるなんて、思ってもなかったから。
頭が真っ白で何もちゃんと考えられない。
無心で音楽を流しながら、
ただ溢れてくる感情をsnsに吐き出した。
この上ない絶望感と苦しさ。
私には推ししかいない。
推しがいなくなるなんて考えられない。
それだけ彼の存在は大きかった。
それから数日が経って、今日を迎えた。
実感がなかったけれど、
だんだんと現実を把握してきた。
もう会えない時間は始まってしまっている。
知ったときは絶望でいっぱいだったけれど、
それは落ち着いた。
ただ、いくら考えてもこわいことがある。
変わってしまうこと、だ。
彼も、私自身の心も。
もし彼に何かあったら?
もし私がファンを辞めたら?
変わることは仕方ないことだと知っている。
けれど、変わってほしくないものもある。
人は変化には抗えない。
いくら願っても、一度変わったら元には戻れない。
だから、こわくなる。
推しがいるグループに、「永遠」を歌った曲がある。
まっすぐな言葉で綴られた歌詞が心を痛くする。
永遠という言葉は美しいけれど、
簡単に口にはできない、私には。
ただ、永遠に続けばいいと思えるものがあるのは
きっと尊いんだろう。