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アルコール量が少なくなるほど、飲酒によるリスクはより少なくなる
7月5日開催「第4回飲酒ガイドライン作成検討会」を傍聴しました。
「第4回飲酒ガイドライン作成検討会」資料
この検討会は、厚生労働省で策定を予定している「飲酒ガイドライン」を検討している場になります。
今回は「飲酒ガイドライン」案そのものと、その啓発の仕方について議論されました。今回議論されたものを、親会議の「アルコール健康障害対策関係者会議」に諮り、秋以降に、取りまとめ、ガイドラインの確定という流れになるようです。
●飲酒ガイドライン案はほぼ了承
飲酒ガイドラインに記載する内容(たたき台)は資料2になります。
![](https://assets.st-note.com/img/1688680129310-tI8y9eiWaA.png?width=1200)
Word原稿4ページ弱程度(参考文献掲載が4P)で、かなり簡潔。委員からは高校生が読んでもわかるような文体でという指摘がありましたが、かなり読みやすくまとめられています。
ざっくりした構成は下記になります。
1 飲酒による身体等への影響について
・年齢 ・性別 ・体質
(1)疾病発症等のリスク
(2)行動面のリスク
2 飲酒量(アルコール量)について
3 飲酒に係る留意事項
(1)避けるべき飲酒等について(5項目)
(2)配慮のある飲酒の仕方等について (5項目)
(3)その他留意事項
○法律違反に当たる場合等
○特殊な状態で飲酒を避けることが必要な場合等
飲酒量でポイントと感じたところは、 表記の仕方。
○単に飲酒量(ml)だけでなく、お酒に含まれるアルコール量(g)に着目。
○「生活習慣病のリスクを高める飲酒量」として「1日当たりの純アルコール摂取量が男性 40g以上、女性 20g以上」。
○アルコール量が少なくなるほど、飲酒によるリスクはより少なくなる。
○一時多量飲酒(過去30日間で一度の純アルコール摂取量 60g以上)は様々な身体疾患の発症や、急性アルコール中毒を引き起こす可能性、外傷のリスクを高める
飲酒量と健康リスクの関係は「Jカーブ効果」と言われ、少量なら健康効果があると言われていましたが、もうそんなことはないんですね。
構成員からは、
多量飲酒の記載で「過去30日間で」はわかりにくいので削除しては、「飲酒の合間に水(炭酸水)を飲むなど〜」という記載について、炭酸水が炭酸飲料と誤解しないようにという指摘もありました。ただ全体の内容については、アルコール量の目安の数字が3つ(40g以上、20g以上、60g以上)になり、わかりやすくなったという評価で、たたき台については、ほぼ了解を得たものとなりました。
以降は、啓発について。
事務局としては、エビデンスにしっかりと基づいた「ガイドライン」本体以外に、リーフレットなどわかりやすさを優先したものの制作を考えているようです。
啓発内容として、「自分がどれだけアルコールを摂取しているか」を知ることが重要。そのために、缶ビールなどアルコール飲料に「アルコール量(g)」の表記がされていくことが望ましいという意見が多数出ていました。
実際、我が家でチェックしたものは記載されていましたが、構成員のお話では、どうも「アルコール度数が高い、ストロング系」には記載がないとのことでした。
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(後日談)近くのスーパーでの調査レベルですが、確認したところ、キリン、アサヒビール、サントリーは全て(ストロング系も含む)アルコール量が表記されていました。他メーカーは記載があるものとないものがありました。
![](https://assets.st-note.com/img/1688680901908-do22qqLFmP.png?width=1200)
ちなみに女性はこれ1本で生活習慣病のリスクに(泣)
●今飲んでいるアルコール量を把握するために
居酒屋など外食時には、お店で作っているものは、アルコール量はまず把握できない。ここらへんが難しいですね、とのことでした。確かに。飲んでいる本人が、そろそろこのあたりが自分の適量と認識できるか、そしてそこでストップできるか、でしょうか。
他にも、アルコールは嗜好品であり「飲酒する」ことがデフォルトではない、むやみに飲酒を推奨するものでないことをしっかり伝えるべき、世代別や専門職、企業や学校などセグメントした啓発が重要、QRコードやアプリなどの活用、わかりやすさ、伝わりやすさを重視した「図」「ロゴ」の制作を、などの意見が出ていました。以上、ご報告まで。
検討会で構成員の方々がアイデアを出していましたので、それを元に図版を作ってみました。わかりやすく伝えることってなかなか難しいですね。
![](https://assets.st-note.com/img/1688693949973-9YoDBvaLRc.png?width=1200)
●飲料メーカーサイトでの啓発
「どのくらいアルコールを摂取したか」をわかりやすく調べることができるサイトを検索したところ、さすが、メーカーはきちんとサイトに掲載していますね。新しく作るより、こうしたところにQRコードなどでつながるといいかと。民間企業サイトはダメなんでしょうか。。
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