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同じ絵を見て、違う世界を感じ取る。アートの面白さを体感した話。

先日、自己理解プログラム仲間のあやかさんの絵が展示されているということで、東銀座のギャラリーに行ってきました。

あやかさん在廊の時間に合わせて同じく仲間が集ってました。笑
ギャラリーには「音色」をテーマにした絵が70点ほど。抽象画がほとんどで、色使いや油絵の質感、鮮やかな色使い…どれを見ても素敵で眼福でした。
あやかさんの絵は、音楽を聴きながら去年の一年間の変化を表現したとのこと。青、緑、白、色がゆらゆら浮かんでいるような。散りばめられた濃い色は葛藤かな?と思ったり。こうやって絵で表現できるのすごいなあ…ひたすら尊敬です。

その場に居たりんさん、あすこさん、いがらしさんの4人で「どの絵が一番好きか発表しよう!」という流れになりました。

私が選んだ作品はこちら。

見た瞬間に心を掴まれて、これだと決めました。

選んだ理由を発表。

パッと見た時の色使いが好きで、直感的に選んだ。
桜の下に立っていて。そこから桜を見上げている絵。
左上から光が差していて明るくなっている、太陽の日差しが漏れて玉ボケのようにキラキラしている。それを金粉で表している。
風がブワーっと吹いて、桜が散って、桜吹雪が舞っている一瞬。花びらの躍動感があって春の息吹を感じる。
さらに言うとこれは心の中だと思う。私にとって春ってピンクに満ちていて、厳しい寒さからあたたかさに移り変わり、暖かさや柔らかさがある。まさに私の春の幸福感を表している。これを見るだけで心の中に春を思い描ける。

このようなことを偉そうにも語らせてもらいました。
言葉にするのって難しいけど面白いね。

いがらしさん「これは上から見た桜だと思った

上から?上空からってこと?と聞いたら、何となく空から見ているイメージとのこと。私は「上から見た桜」という感覚は無かったので視点が違うのが面白い!

りんさん「これは不死鳥だと思った

不死鳥!?
りんさん曰く「タイトルを見たら桜って書いてあって、なるほどとなったけど、最初見た時はこの真ん中の部分から羽が生えているのかと思った。不死鳥の燃える赤。左上に向かって羽ばたいている。そしてレアな感じを金粉で表している」だから不死鳥をイメージしたとのこと。

想像力がすごい……!!私もすぐにタイトルを見なければよかった!悔しい…!笑

同じ絵であり違う絵

これをやっている間、ある本をずっと思い浮かべていました。

私の大好きな本「目の見えない白鳥さんとアートを見にいく」です。
盲目の方がアートを“鑑賞する”ってどういうこと?って思いません?
実は、白鳥さんは同行者にアートを説明して貰って、鑑賞するスタイルを取っているんです。

これが面白くて!
同じ絵について話しているのに違うことを言うんです。
作者「この絵は…女の人が窓辺に座っていて。彼女は微笑んでいますね…
作者のご友人「え、これ怒ってる表情じゃないの?

全然真逆!同じ絵を見ているのに自分のフィルターを通すと違う説明が出てくるんです。

まさに今回もそうだと思いました。
私は桜吹雪を浴びている一瞬(心情風景)、いがらしさんは上から見た桜、林さんは不死鳥。同じ絵から違うものを感じ取っている。正解がないからこそ人の数だけ違う見方がある。それを改めて感じた時間でした。

アートと聞くと「高尚なもの」という気がして。以前は美術鑑賞のハードルが高かったのですが、今は知識がどうとか、作者の意図を正しく読み取るとかは一旦脇に置いています。自分には無い視点や、世界の切り取り方をアートを通して知ることができる。私が気づいていないだけで、世界はもっと色鮮やかで不思議に満ちているんだと。そんなところが面白くて、奥深くて、好きなところです。

好きな絵を説明するりんさん

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