転職28歳限界説の呪いを解く(2/2)
前編はこちらから↓
4ヶ月目:コーチングとの出会い
「本当にやりたいこと」ってなんだろう?
転職活動で完全に自信喪失していた私。八木さんの考えはまさに目から鱗だった。「苦手なことではなく、自然とできてしまう得意なことで勝負する」「大切にしている価値観を人に向けると仕事の目的になる」この考え方を知った時「できる気がしない営業職はやりたくない」「好きなこと(国際的な仕事)に関わる仕事がしたい」という気持ちを肯定してもらえたようで…救われる思いだった。
ワークをひと通り取り組んで、価値観ピラミッドを作ってみた。やりたいこと相談会を見て、こんなにも多くの人が仕事に対して迷い苦しんでいること知った。「私もやりたいことがないのに転職しても意味ないのでは?」と思うようになった。
無料カウンセリング→自己理解プログラム契約
無料のカウンセリングを受けてみることにした。自己理解コーチと話して自分の強みや価値観について客観的な意見が欲しいと思った。
久々に面接以外のオンラインでの会話。コーチの笑顔とやさしい対話に涙が出そうだった。話していく中で「この人ともっと関わりたい、自分ともっと深く向き合いたい」という思いが出てきた。「プログラムを受けながら転職活動はできますか?」と聞いたら「出来たら一旦ストップした方が良いですね」と提案いただいた。それに対して「早めにプログラムを進めて転職活動を再開したいんです。私、早くしないと29歳になっちゃうので…泣泣(※5月生まれ)」と、本気で涙ぐむアラサー女性…(今思うと笑える)
転職活動を中断させるのは怖かったけど「これでようやく解放される…」という安心感もあった。こんなどん底な状態から人生を変えるにはこのプログラムしかないと思い、契約を決めた。その後、Bさんには転職活動を辞める旨を伝えた。40分かけて説得されたが、なんとか中断という形を取って休むことになった。(女性エージェントさんには途中から放置されており、辞めることをメールで伝えたら速攻退会手続きがされた。笑)
キャリアコーチングを受ける
自己理解プログラムを開始したのと同時期、キャリアコーチングを受けていた。
利用したのは「mento」というコーチングサービス。
「キャリアに関する相談をしたい」とリクエストを伝え、候補のコーチを挙げてもらいプロフィールを見て選んだ方と体験セッション。
結果、素晴らしいコーチと出会えて4回コーチングセッションを受けた。自己理解プログラムとは違った方法でコーチングしてもらえたおかげで、自分のことを一層深く見つめることができた。何より大きな決断をするに置いて伴走してくれるコーチの存在がすごく心強かった。
7ヶ月目:退職
やりたいことに対する私の答え
4月から7月はすごく楽しかった。水を得た魚のように元気を取り戻していった。毎日自己理解に取り組む日々。学習欲、内省、気づき、親密をフル活用した100日間は人生で一番濃くて充実した時間だった。
詳しくはこちらのnoteでまとめているのでぜひ。
私は異文化に飛び込んで広い世界を知りたい、好奇心を発揮して働きたい人間で、仕事を通して気づきを得て、深めていきたい、それを私らしい感性で表現できる仕事がしたい。加えて「日本人の幸福度を妨げている原因を追求し、日本人の幸福度を高めること」をビジョンに掲げた。これが私のやりたいこと、これらを叶えることができる人生を歩もうと決めた。
退職を決める
やりたいことが明確になり、現職では叶えることが難しいとわかった。仕事の軸を定めたことで迷いがなくなった。
心は決まってたけど、なかなか上司に言い出せずにグルグルしていた。周りは退職を決めて進んでいく、ウジウジと足踏みしている自分に腹が立って、いい加減伝えることを決めた。
そんなタイミングで上司から呼び出されてポジション異動の話がきた。現場の仕事から、行政の仕事に関われるポジションだった。私が自発的に参加していた活動と意欲(無駄にある)が評価され、いただいた提案だった。
以前の自分だったら喜んで引き受けてただろう。でも今は違う。静かに去ろうとしていたのに…!
「より裁量権のあるポジションなら何か可能性があるかも?この職場を改善できるかも」という思いから、気持ちがブレブレになってしまった。
キャリアコーチにセッションをお願いして気持ちを整理し、自己理解プログラムの仲間に話を聞いてもらった。そして自問自答を重ねた。最後は「業界や組織のためじゃなく、自分のためにエネルギーを使いたい」というシンプルな答えに辿り着いた。
7月末、異動を断り退職の意向を伝えた。
8ヶ月目:やりたいことへ方向転換
次の手を考えたときに「転職活動を再開しなきゃ」と思う一方「海外に出てみたい」という好奇心が出てきた。
私のやりたいことは分野で言うと国際的な仕事にある。そしてビジョンを実現するためには私自身が異文化に身を置いて、日本を外から見る必要があると思った。
自己理解プログラムを通して現在ワーホリに行っている人や海外に移住している人と出会い、すごく影響を受けた。世界は広いし色々な人がいる。異なる文化や人々への憧れが日に日に大きくなり、このタイミングで挑戦できないか?と考えるようになった。
キャリアブレイクというやつである。転職を急いでいた自分からしたら予想外のところから道が現れてびっくりしている。
正直年齢を重ねる怖さはある。今、転職活動すればギリギリ20代だ。タイミングよくいい企業に入れるのではないか?30歳になると書類で足切りになりやすいと聞いたことがある。キャリアの空白期間を作らないのが王道であり正解の生き方なんじゃないか?
でも新たな道を知ってしまった以上、それを無視するのは苦しい。私の好奇心がそちらに行きたいと訴えている。私はレールから降りて、道なき道に進んでみたいんだ。心配性で安定を求める自分にこんな冒険心が眠っていたなんて。
自分にかけた呪いを解く
失敗から学び、違和感に目を瞑らない
転職活動が失敗した理由は、
どこまでも他人軸で行動し、判断基準を社会や他人に委ねてきたこと
ひとつのやり方に固執して狭い視野でしか物事を判断できなかったこと
この二点だと思う。そして自分の考えの甘さと、仕事に対する慢心があったことに気付けた。「50社受けて内定0」の現実にナケナシのプライドがぼろぼろになったが、逃げ出さず自分と向き合ったからこそひと回り成長できたと思う。苦い経験も大きな財産だ。
社会を知らないひよっこだったと思う一方、受け入れ難い違和感もあった。企業からはキャリアの空白期間を許容しない空気、傷のない経歴が求めらていると感じた。そして面接とは本音ではなく相手の求める正解を言う場であり、自分を出さずに「正解の社会人」を演じる必要があることに気付いた。「どこも人材不足で人が欲しい」と言われるが、企業が求める「完璧な社会人」が果たしてどれだけ居るのだろう。
これが社会人としての普通であるなら誰もが早く正解を手に入れて安心したくなるだろう。そんな社会では若者はますます挑戦しづらくなるんじゃないか?何より「こんなにも焦らされる社会で、幸福を感じられるのだろうか…?」と疑問に感じてしまう。
違和感はヒントであり自分の大事にしたいものを教えてくれる。そこに目を瞑るのではなく少しでも抗いたいと天邪鬼なりに思っている。
自分らしいキャリアの模索
タイトルにある「転職28歳限界説」は私が勝手に言っているだけだ。私が勝手に自分にかけた思い込みで、呪いだ。
でもこれが正しいかどうかはここでは関係ない。私が自分で考え進んでいくことでゆっくりとこの呪いを解きたいと思っている。
きっと楽な人生じゃないと思う、でもやりたいことで生きていくと決めた。どの本にもインターネットにも書いていない、私だけのキャリアを切り開いていくことを宣言して、この振り返りを終わろうと思う。