言語の上達とパートナーとの関係
私たちはいわゆる国際カップルだ。
生まれ育った国も母国語も全く違う。そんな中で、コミュニケーションが思った通りに上手くいかずに困ったことは数知れずある。
私たち二人は、出会ってからずっと付き合って5年間くらいは英語で会話していた。英語はお互いにそれなりに話せていたけれど、どちらの母国語でもないから、感情や状況を上手く説明するのが難しかったり、相手が100%理解できなかったりしたことがあった。
そもそも育ったところも背景も違う二人だから、価値観も考え方も違って、誤解が起こっていたことも否めない。
付き合い始めて5年で一緒に住むようになり、私たちは彼の母国語を一緒に話すようになった。
初めは思い通りに話が進められないもどかしさがあった。それは特に議論や口論になったときに顕著で、相手は母国語で話しているのだから100%の形で表現できるのに対して、私にとっては外国語だから厳しく感じる部分がよくあった。
でもそれは始めのうちだけで、一緒に暮らすうちに、私の言語力は上達し不便も感じないレベルになった。
そうすると、自然にお互いの距離がより一層近く感じるようになった。それまでも別に精神的な距離を感じていたわけでもないにもかかわらず、より分かり合えているという感覚になった。
そこから学んだのは、相手と本当の意味で近くなるためには、お互いの母国語で話すことが大事なのではないかということだ。
もちろんバイリンガルで、第三の言語で話してもうまくいってる国際カップルもいると思う。私たちもかつてそうだった。だけど、私が彼の言語を話すようになってからは、性格、笑いのつぼ、会話の進め方などについてお互いにより深く知り合えるようになった。日々の会話と笑いも絶えなくなった。
言語は思考や価値観、文化と深く結びついていて、言語が分かるからこそ理解できるものも存在するのだ。
そのことをお互いに学んだことで、彼の言語だけでなく私の言語である日本語を話せるようになることで私のことをもっと理解したいと思い、努力してくれている彼にも感謝だ。