ステレオタイプ
人の分け方は無限に存在する。
性別、国籍、人種、年齢、職業、性格、学歴、星座、血液型・・・
不思議なもので、あなたはA型だから几帳面なはずだといわれれば、自然と几帳面という言葉に合う言動をしだしたり、几帳面じゃない姿について誰かに何かを言われたときには枠のうっとうしさを感じたりするだろう。
教師だからいつでも品行方正でしょ?
アラサーだから結婚は?子どもは?
〇〇大出身だから結婚相手も学歴と年収の高い人でしょ?
日本人だから空手できるの?寿司作れるの?
これは私自身が実際に体験したり誰かから聞いたりしたステレオタイプや先入観だ。
ステレオタイプを完全に取り払うことは難しい。だけど、その属性に当てはまる人を一般化しすぎるのは良くない。
私の例で言うと、海外で日本出身だというと、まさに上の言葉が返ってくる。空手できる?漫画読む?数学得意?(日本人もしくはアジア人は数学が得意だと思われている)
空手も漫画もほぼほぼ触れたことがないし、相手が盛り上がって話してくれても、話題の引き出しがない。数学に関しては日本にいるときは1番嫌いな科目だったけど、高校レベルのものを日本では義務教育で習っていたりと、日本の教育水準が高すぎて実は海外スタンダードだとできるほうだったりもするけれど。
あとはアラサーの年齢で結婚する人や子どもを持つ人が多いからといって、目の前にいるその人もそれを望んでいるとは限らない。
さらにステレオタイプは行きすぎると、差別に繋がる場合もある。例えばテロ行為をするのはイスラム教徒と名乗る人が多いから、一般のイスラム教徒もみんな危険思想の持ち主だ、とか。貧困のため海外に出稼ぎにでる人が多い国出身の人だから、窃盗の犯人はあの人だ、とか。
ヘイトクライム、ヘイトスピーチもこのような思想が原因になっていることが多いかもしれない。
ステレオタイプを持つ事自体はごく自然だし、話のきっかけになるという側面もある。空手や漫画が好きで日本人に興味を持ってくれている人を否定する意図もないし、むしろ嬉しい。
重要なのは、一般化しすぎないこと。どの国にも、どの属性にも、どの世代にも素晴らしい人もいれば犯罪を犯す人もいる。個性だって誰にでもある。
自分の持つステレオタイプには当てはまらない人も大勢いるということを理解する人が増えれば、世界はより温かくなると思う。