キャリアウーマンにはならないと思ってた
子どもの頃から夢という夢はなく、お嫁さんになって若いお母さんになりたいと思っていた。
だから高校生や大学生になって、より具体的に職業について考えるようになっても、目指すところはあまりなく、ぼんやりと誰かの役に立ちたいとだけ考えていた。
自慢ではなく世間でいう名門の出身ではあるのだけれど、それを使いたいという考えはほとんどなかった。
大学を卒業して教育に携わるようになり、毎日が楽しかったので天職だと思うようになった。だけど海外移住をきっかけに、その仕事を続けられなくなり、別のキャリアを探すことになる。
単発の仕事やフリーランスの仕事を少ししていたけれど、安定した収入が欲しかったこととホームシックが辛かったので毎日没頭できるものが欲しいと思うようになり、真剣に正社員の仕事を探し出した。
面接を受けた1社目でインターンが決まり、徐々に正社員、マネージャーというステップアップをした。
そしてさらに、マネージャーからヘッドに任命され、新しいポジションをスタートさせる。
この会社に入って以来、上昇志向が強くなった。認められたい、成果を残したい、より多くのプロジェクトに携わりたいなど、キャリアウーマンとしての典型的な欲望を初めて持つようになった。
数年前までは全く考えられなかった変化だ。
面白いことに、教育関連の仕事をしていたときとは別の意味で仕事を楽しいと感じ、さらに仕事でないし会社で存在感を増したいという思いを持つに至った。
やはり、承認欲求は人間の基本的欲求のひとつなのだ。
能力ある上司に褒められると嬉しいし、自分のチームが成果を出すと達成感もある。次も頑張りたいと感じるようになる。
大学生の頃には考えられなかった内面の変化だけど、これはかなりポジティブな変化だと言えると思う。
この仕事、会社に縁があって良かったと心から感じる。