きたいえみさん【01.コーヒーと一緒に、大事にしたいこと】
こみち:
えみさんて、今着付けとお茶を習われてるんですよね。
きたい:
そうそう。でも、着付けが結構好きで。
お茶は「お稽古!」ってかんじなんですけど。「楽しい!」っていうよりも「頑張る!」という方が大きくて。
着付けの方が、もっと趣味に近い。「楽しい~可愛い~♪」みたいな。
こみち:
たしか、最初着付けに入るきっかけが、お茶だったんでしたよね?
きたい:
お茶ですね。
”お茶会”がある時は、着物で行かないといけないんですよ。
”お稽古”のときは洋服でもいいんですけど。
毎回着付けてもらうと、すごくお金がかかるので・・・
だから、自分で着物を着ようっていうのと、
その前からなんとなく、着物でコーヒー淹れたいな、と思ってて。
こみち:
かっこいい!(笑)いいですね。お洒落。
きたい:
それで、去年一回着物レンタルして、着付けもしてもらって、コーヒーを淹れてみたんです。
それから自分で着てコーヒー淹れるようになりたい、とぼんやり思ってて。
着付けは、お茶会のためと、自分のコーヒーの仕事のための両方。
こみち:
お茶は、何がきっかけで習おうと思ったんですか?
きたい:
お茶は、ずっと前から、自分はコーヒーを淹れるときの
所作とかが美しいタイプの人間ではない、という自覚があって。
こみち:
そんなのあるんですか。
きたい:
あ、私の中ではね。
自分の中では「もっと美しくできるのに、ワタワタしてて、美しくできない」っていうのが結構、引っかかってることで。
「もっと美しく淹れるバリスタになりたい」と思ってて、
それをどこから吸収できるかって考えたとき、お茶かな、って思ったのと、あとコーヒーをやってることに対して、自分の中で葛藤があって。
こんなこと言ったらコーヒーやってる人に失礼かもしれないんですけど、
海外で生産したものをむりやり、遠くからこう日本に来させて、なんかこう・・・海外の文化なわけじゃないですか。
日本発祥じゃない文化で、日本で採れるものでもないっていうのが、自分の中で「いいのか」っていう葛藤があって。
こみち:
・・・すっきりしなかったんですね。
きたい:
やっぱり日本の物とか日本の生産物、文化を続けていくことを、両方していきたいと思ったんですよね。
そうしたら、自分のなかで天秤がとれるというか。
ちょっと、そこに自分の中でコンプレックスがあって。海外のものをむりやりやってるっていうのが。
こんな事言ったら他のバリスタの人に失礼かもしれないんですけど・・・
自分の中では、海外の文化と日本の文化の両方を伝えていけたら、罪悪感というかコンプレックスみたいな部分が、調和がとれるかなというのがあって。
「日本の文化を知ろう」っていう思いです。
こみち:
それが、お茶をはじめるきっかけだったんですね。
きたい:
あとは、偶然出会ったんですよ。お茶の先生に。
私のコーヒー教室に、今私がお茶を習ってる先生が来てくださって。
それで、その前からお茶を習ってみたいと思ってたけど、チャンスが無かったんですね。
お茶って意外とどの先生から習ったらいいのか、とか、先生によって全然違うし、流派も色々あるので・・・。
こみち:
流派があるんですね!
きたい:
そう。色々ある中で、どこを選んでいいか分からなくて。
だけどそこで、先生と出会って、
その先生の所に習いに行こうと思ったんですね。だから本当にご縁。
こみち:
私の中で分からないことがあって。
日本の文化を発信するのは、着物じゃなくてお茶の方ってことで合ってますか?
きたい:
あ、両方。総合的に。
まあ、まずは知ることかなっていう。
こみち:
そっか。先を知ってどうするかとは決めてないけど、自分の中で知ってみて、
それから、自分の中でどういう発見とか、何が見つかるかとか。
きたい:
決めてないです。目的はないですね。
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