きたいえみさん【05.もうひとつの伝えたいこと】
きたい:
あとは家族。
そこのベクトルとは別に、"家族に淹れるコーヒー"っていうのが好きだった、っていうのがあるんですけど。
自分の家族が、大家族なんですよね。
お姉ちゃんが2人いて、甥っ子と姪っ子、おばあちゃんとか皆で住んでたから、超大家族で。
誕生日会とかが頻繁にあったので、その中で淹れるコーヒーの時間が好きだった。
肩の力を抜いて、家族に淹れるコーヒーの時間、っていうのも好きで。
だから、そういう事も伝えていきたい。
こみち:
ワークショップとかで、そういう事を伝えられてるんですよね。
きたい:
そうそう。コーヒー教室とかワークショップだと、そういう自分のモチベーションに合った、
”家族に淹れる何気ないコーヒー”とかについて伝えることが好きですね。
・・・あとはご自身。
”自分自身にコーヒー淹れてほしい”っていうのが、一番最初にありました。
みんな家族とか、大切な人に目を向けがちなんだけど、
まずは自分を、大切にしてほしいな、って思って。
よくコーヒーって”誰かのために淹れてあげる”っていうのがフォーカスされるけれど、自分のためにも淹れてほしい。
その時間を作ってほしい、っていうのがひとつあって。
コーヒー教室とかワークショップは、女性のお客様が多いんですけど、来てくれた後に
「朝の時間とかに、自分のためにコーヒー淹れるようになりました」とか言われると、めちゃめちゃ嬉しい。
家族のための時間だけじゃなくて、自分を癒す時間を作ってくれたことが、嬉しくて。
それも結構、活動のモチベーションのひとつ。
こみち:
いいですね。本当に、語彙力のない感想で申し訳ないんですけど・・・
凄くいいですね。
きたい:
みんなそれぞれ、情熱はある。
こみち:
・・・私も、得意な事、好きな事、無理なく続けられる事を組み合わせて、
今の仕事(アクセサリー製作)をしてるんですけど。
本当は、絵とか服作りを勉強してた頃から、精神的なことを伝えたい、みたいな欲がずっとあって。
でも、そういう方向性で・・・ものづくりが好きだからその中で、そういう方向性で作ると、
大体あまりいい評価を受けないというか。
別に、悪い事を言われる訳ではないんですけど、
単純に綺麗なものを作った方が、周りの人が喜んでくれるんですよね。
「いいねー」「素敵だねー」って、先生とか友達とか。
自分が精神的に力を入れて、”これで表現しよう”って作ったときは、本当に反応がうす~くて。
だから、私はそっちは向いてない。
あと、憧れてる抽象絵画(マーク・ロスコ)の、
「こういう精神を表現してて、この絵の前で昔泣く人がいた」っていういう絵を観たい!とずっと思ってて、
やっと一枚見れても、ぜんっぜん、なんっにも感じなくて(笑)
きたい:
つらい(笑)
こみち:
私はそっち方面の才能は無いなと思って、
だから、それからは、得意な”綺麗なものを作る”っていうことで、
人の心を動かす、何かしらができたらいいなと思って。
それで、ちょっとでも思ってることを文章にしたりとか、こういうこと(インタビュー)をやってみたりとかで、見てる人たちに伝えられたらという感じで。
アクセサリーも、眺めたときにちょっと、ふわっと宇宙に向く、みたいなかんじ(笑)になってほしいっていうのが本音で。
まあそこまではいかなくても、
ちょっとこう・・・旅行に行った時とか、自然のある所に行った時に、
ふわっと、普段悩んでるモヤモヤした事とかを忘れることがあると思うんですよね。
そういう時みたいな感覚になってもらいたくて・・・
そしたら、その人自身の本当の本音とか、本心に、ふと気が付く時があると思ってて。
そういう時間を増やしてほしい、と思って、美しいものを作ろうとしてるっていうのが、根底にある。
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