第7章 リアルタイムに流れる時間のうえに──天神山のアトリエ 立石遼太郎
そもそも「知る」とはどういうことだろうか。(中略)何らかの対象を表現するものを「表象」と呼ぶのであれば、不正確な表象を修正し、新たな対象を補足し、対象と表象の適切なセットを増やしていけば、私たちが生きるこの世界の全体についてさえ、いつか知ることができるかもしれない。知る者と対象の特定の関係性から生じる影響は知識を歪める者であり、できるだけその影響を排除することで客観性を保つ必要がある。
久保明教『ブラーノ・ラトゥールの取説 アクターネットワーク論から存在様態探究へ』月曜社、2