ゲームジャンル考察【第1回】:「ソウルライク」
最近、1人歩きを始めている印象のある「ソウルライク」というジャンル。今回は、このジャンルの定義について語らせていただきます。
■ソウルライクの発祥
2009年にPlayStation3で発売された『Demon's Souls』とみなしていいと思います。フロムソフトウェアは、King's Field という3部作を出し終えたあとに、ソウルシステムとオンラインによる情報共有型RPGの融合として、この作品を生み出しました。
■ソウルライクの定義(狭義)
狭い意味で「ソウルライク」というのであれば、以下の条件を満たしているゲームのことを指すと思います。
①オンラインによる情報共有(他のプレイヤーのヒントメッセージが表示される仕組み)が搭載されている
②死んだら経験値をその場に落とし1回で回収できないとロストする「ソウルシステム」が採用されている
③死んで覚えるゲーム(いわゆる死にゲー)である
①はソウルシリーズ独自のシステムなのでおいといて、②が欠けているゲームは、ソウルライクという名前を借りた「死にゲー」であると私は考えています。
■ソウルライクの定義(広義)
ソウルライクというジャンルが誕生して10年以上経過して、その名称が定着してきた今では、この言葉がもっと広い意味で使われるようになりました。
前述した条件の1つでも満たしていたら、ソウルライクに分類されることが多くなってきた印象があります。
■私の定義
言葉の定義(特に日本語のそれ)は、時代と共に移り変わっていくので、この流れを止めることはできないけど、私が感想等で「ソウルライク」というジャンルを使う場合は、狭義のところで定義した条件の②と③が満たされているものとしています。
■今後のソウルライク(または死にゲー)
今年プレイしたゲームの中には高難易度として作りすぎたため、難易度のレベルを一段階下げた「ストーリーモード」が用意されているものを多く見受けました。
自分たちの生み出したゲームのストーリーを、より多くの人に味わって欲しいというメーカ側の配慮がなされてきたのだと私は考えています。
過去、格闘ゲームやシューティングゲームというジャンルは、コアユーザに好まれるように、より難しく複雑なシステムになっていく道を歩み、ついていけなくなった多くのユーザが離れ、廃れてしまったことがありました。
この二の舞にならないように、死にゲーというジャンルも、メーカが指定した難易度だけではないものを用意するようになっていく気がします。難しいモードは上手い人だけクリアを目指せばいいのです。