(8) 姐さんのひらりん、ちと帰国 〜 目からウロコの花談義
無事にパパりん&ママりんと合流、洋風温泉宿でおフランス料理を堪能したあとは、ぐっすり眠りに落ちましたとさ。
...とはならず、パパりんのイビキに悩まされた姐さん。だけど朝食は朝8時ですからね、その前に朝風呂朝風呂。
そして既に昨日のうちからお選びしてあったように、朝食を頂きます。
どうせならついでの姐さん行きつけ銀座情報。
こちら、創業1866年(慶応二年)の吉宗(よっそう)さん。[中央区銀座8-7]
茶碗蒸しと皿うどんがランチの定番。
夜に行くなら早目に豚の角煮を日本酒で。
あはん♥
こちら長崎料理の老舗ですばってん。
カフェーパウリスタとはお隣さんなので、吉宗の茶碗蒸しランチの後、コーヒーがオススメ♥
そして、そのすぐそばには創業1899年(明治32年)ビアホール・ライオン[中央区銀座7-9]が。
ここはつい最近国の登録有形文化財になったということですので、一見の価値あり。
と、いつものようにだ〜いぶお話が脱線いたしましたが。
日本の方にはフツーなのかもしれませんけどね、
ナンですか!?この生け方!?
まるで、愛しい人を追っかけていきたいように、枝が3倍も向こうに行っちゃってたり(右下)、
なんだか着物でしなだれかかってくるように、決して左右対称でないバランス感(左上)、
はたまた愛情余りすぎて、片方にだけビーンッと行き過ぎたようなエネルギー(左下)、
そうかと思えば愛しい誰かを想い過ぎて火照りながら、そのカラダを持て余しているような妖艶なツバキ(右上)。
こりゃあスゴすぎる。
しかもこのミニマリスト感。
一本でここまで語らせるんだから驚きです。
しかもなんて色っぽい花たちよ。あはん♥
まさに目からウロコ👀のよじれる姐さん!
いやぁね、実は家でママりんが生けたツバキを見たときも、一瞬びびったんですよ、姐さん。
ややっ、どーした!?ってね。
何故そんなに重心を片方に寄せるのか、と。
何故かと言いますと、普段姐さんの生活しているおフランスでは、お花は真ん中が中心で、こんもりまぁるく、が基本。もちろん真ん中から段々と外側へボリュームを付け、何処から見ても均等にお顔が見えるようアレンジメント。
花器も広口の大振りのものが対応範囲が広く、使い勝手が良い。
黄色フェチのゴッホ(左上)、
白の魔術師モネ(右上)、
赤が大好きルノワール(左下)、
影は描かないマネ(右下)。
皆、一様にこんもりまぁるく、できればてっぺんが一番高くなるように。
これは三角形構図でバランスが取れていれば万人受けが良く売れる確率も高い。
アカデミーにも受けが良く、これで評価はアゲアゲに。
そしてみな選んだのは広口大振り花器。
えぇ、えぇ、それは17世紀からの伝統なんですわね。
キリスト教絵画のしがらみから逃れるように、偶像崇拝禁止ー、みたいにして発展したプロテスタントのオランダ静物画がその象徴。
いったい後ろはどーなっちゃってるんでしょう?ぐらいな盛り具合のてんこ盛りブーケ。
更には、アータ全く関係ないっしょ、とでも言いたくなる様に無防備に置かれた貝殻や蝶、そしてレモン。
これはオランダ人が匂わせ好き、という訳ではなく、プロテスタントのテクニックの一つである象徴絵画。
イタリアのキリストじゃー、マリアじゃー、三位一体じゃー、みたいな、「コレわかんなきゃ人間辞めちゃいなさい。アーメン。」というような押し付けがましさもなく、♪何でもないようなことが幸せだったと思う〜、みたいなトコロを目指しているのがオランダの静物画にはあるのかも。
だから日本の鎖国中にもオランダ人は日本に受け入れられたのか?
その代わり、目は皿のようにして見ないと読み取れませんよ。
どうぞ拡大して見てください!
まず構図はどちらも三角形構図で、キリスト教の3を尊重。
その後右側の絵、画面右下に描かれているレモン。
レモンは「純潔」と「誠実」の象徴。
フレッシュだからかしら。
うんうん、キリスト教では好きそうなキーワードね。
そして左側の絵、画面右下に3つの貝殻。
貝は水に関係し、月や陰を象徴。転じて女性と結び付く。ホタテ貝だったらもっとストレートにキリスト教を表しますが。ちなみに『ヴィーナスの誕生』なんてまさにホタテ貝に乗ってます。
それから画面左下手前と、真ん中の白地に赤が入ったチューリップの左側にいる蝶々。
蝶は永遠の喜びの象徴で、「希望」を表す。
ちなみに右の絵の左の見えるユリの蕾のそばにも。
更に左下の方にあるチューリップにはしゃくとり虫も居りますん。
そして、真ん中の黄色い水仙のところにミツバチが。ミツバチは、勤勉、社会組織を象徴し、「不滅」を表す。数も多いしね。
それから花器のすぐ右上、枯れた葉の上にトンボ。うわー、まさに「不安定」を表すトンボが枯れた葉の上とは何とも不吉な。陰りゆく時代を表しているのでしょうか。
まぁでもそれは画面下なので、「希望の蝶々」や「不滅のミツバチ」でリベンジしながら、一番上に描かれている孤高の白百合に、古代では縁の下の力持ち的存在でめちゃ人気だったコガネムシが。この地味なコガネムシ、やっぱり小金に繋がるのでしょうか、「再生」の象徴としてミイラと一緒に埋められたという「幸運」のシンボルでもあるのですん。
と今まで盛り盛り沢山の花絵画を見てきたところへ、しれっと現れた日本の生け花。
姐さんのハートをぱひゅん♥
こんなん描きたいっ! と思わず図録を買い求め、日々是眺める姐さん。
盛り盛り沢山の半日でした。
いつものように脱線しまくりごめんなさい。
さてといよいよ下山します。
どうぞ登山電車は脱線しませんよ〜に♥
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