ネコの類さんのこと後編
大学時代を一緒に過ごしたネコの類さん、死ぬ前と、死んだときとに書き残していたもの。後編。
八ヶ岳に発つ朝に、実家の猫のルイさんが死んだ。
前日まで自力で水を飲んでいると聞いていたのでひょっとして?と淡い期待を抱いていたけれど
ダメだった。
毎日その病状を聞いて泣いたり泣いたり泣いたり、サバサバしたり、また泣いたり、していたので、
こんな気持ちで雪の八ヶ岳なんて行ったら私遭難するんじゃないかしらと思っていたら、
その朝に死んだ。
天狗岳の山頂近くですごい風がビュウビュウ吹いて
ルイの魂はいまこの風の中にいるかなとか思ったりした。
「ルイは未知がお父さんと耕した畑の東斜面に眠ってるよ。お父さんが水仙の花を植えてくれました。
秋には周りにコスモスが咲く予定です。」
って母から。