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切なくてたまらない

鬱蒼と茂る森の奥から出てきたのは


生気を失ったようなあなただった


空っぽになったあなたに投げかけた言葉は


虚しく空を切り


散らかった地面にパラパラと落ちていった


ぎりぎりで生活していたあの頃は


まだ恵まれていたのだと思わざるを得なくて


わたしの心には血生臭い傷が増えた


わたしが知っていた場所は


今目の前の知らない場所に


わたしが知っていたあなたは


今目の前の知らない人に


目を覆っても


口を閉ざしても


涙を流しても


現実は変わらないから


心に温度を宿さず


ただ淡々と


淡々と


胸を引き裂かれるような


この切なさを抱きながら


一歩一歩


一歩一歩

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