パタゴニアの秘境、地球が見たマーブル模様の夢(トランキーロ/チリ)
パタゴニア地域。
コジャイケからバスで6時間ほど、トランキーロへ。
コジャイケよりもさらに田舎の小さな街。
すごく空気が美味しい。
道中舗装されていない道があったけれど街のインフラは整っていてとても居心地がよかった。
この辺り、冬は雪が積もるんだろうけど今は夏。
ぽかぽか日差しに爽やかな涼しい風。
こうゆう日は大阪や東京にいた頃はあんまりなかった。
だいたい暑すぎるか寒すぎで、心地いいなって日は年に4日ぐらいしかない気がする。
パタゴニアの夏は「ずっとこの気候でいいのにな」がずっと続くような地域だった。
トランキーロでのいちばんのお目当て、
マーブルカテドラルへ。
湖にある洞窟。ボートかカヤックのツアーで行く。
心地いい空気に包まれながらのんびりカヤックを漕ぐのって良さそうじゃ〜んと思いカヤックツアーを予約した。
少々曇ってはいるが爽やかな空気の中、いざ出発。
が、しかし想像していたのんびりカヤックにはならなかった。
出発後、ほどなくして雨が降ってきた。
波もありなかなかにハード。
次第に雨は強くなっていった。
服に雨が染みてきて体温はどんどん下がり、極寒。
パドルを持つ手がひりひりした。
「ずっとこの気候でいいのにな」は晴れてる時限定のたわごとだった。
波があって流される、上手く進めない。
めっちゃハードじゃん!!と嘆きながら、そして震えながら20分ほど必死で漕いでマーブルカテドラルへ。
寒すぎて震える声できれぇぇえ。と呟いた。
ぐにゃりと曲がる模様は寒さで見えた幻覚かともおもったけれど紛れもない、現実。これが地球か。
神秘。と思った。
英語のガイドがついているツアー会社を選んだがまさかのスペイン語のみで成り立ちはよくわからず。
過去に地底で石灰とその他不純物がぐるぐるかき混ぜられていて隆起したのち波で削られて今の状態になった。といった感じだとおもう。
様々な不純物がこんなにも綺麗な色をしていることに驚く。
そして湖の波って大したことなさそうだけど、美しい形に削られるもんだ。
まあ、そうゆう地質学的な観点で解けるであろう成り立ちは一旦抜きにしても、かなり興味深い。
濃い青から薄い青、灰色、白、黒。ランダムに混じる色。
世界中探してもこんな洞窟はここだけだろうな。
つくづく自然のバリエーションには驚かされる。
神様は気が利いている。そう思った。
雨なんて関係ないぐらい綺麗だった。
がしかし、雨は降り続き、本格的に浸水。
とにかく寒くて帰りは全力でカヤックを漕いだ。
すごく必死で漕いでいたのにガイドの人のカヤックが早すぎて軽く置いていかれたりした。
あれは完全にエンジンついてる動きだった。
宿に帰り、下着までびしょ濡れ。防水だと思っていたバッグの中も浸水しておりパスポートまで濡れて曲がっていた。
パスポートって中にチップ?が入ってるんだよねあれ。
ちょっと不安に思ったりもしたけど年季が入っているようにも思えてこれぞバックパッカーってかんじだな!とか思ったりした。
服は暖炉の前で乾かして、あったかいシャワー浴びた。
少しの疲労感とスッキリ感。
この感じ、めちゃくちゃ好き。
真夏の海上がりに似ている。
この後ランチを食べ、幸福感に包まれた。
早寝早起き朝ごはん、運動シャワーランチ。
最高の流れだとおもう。
ここにビールがはいってきてもいいと思う。
ところでパタゴニア地域に入ってから見かける旅人たちの風格が違う。
バックパックはかなり大きめで、テントを背負っている人も多い。
キャンピングカーもよく見かける。
たしかに、パタゴニアがバックパッカーの聖地と謳われるだけある。
旅に出る前はミーハー心で大きいリュックや媚びないトレッキングウェアとかに魅力を感じていたりもしていたけれど。
ふと気づいた。今の自分もその憧れの対象に入っている。
荷物はどんどん増えてバックパックは大きくなってきたし、かなり汚れてきた。
ボサボサの髪や乾燥した肌もこれはこれで乙なのでは?とか思ったり。
パスポートも無事ボロボロになったし。
好きなことして生きてる感覚をこんなことで実感するなんて。
気づけばあの頃に憧れた姿が今の自分と重なっている。
幸せなことだよね。
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