中米でカカオ農園見学、刺激的しあわせ(ラ•フォルチュナ/コスタリカ)
世界一周旅を始めて150日以上たった。
パナマでカリブ海を楽しみ、コスタリカに移動。
コスタリカは日本の四国と九州を合わせたくらいの面積でそう大きくはない。
小さな国だが大自然に恵まれていて国土の四分の一が国立公園か自然保護区だ。
そして首都のサン•ホセを起点に放射線状に国立公園が点在していて観光がしやすい国。
まずはラ•フォルチュナに滞在。
ここはアレナル火山国立公園がある。
小さな街だが火山の熱で温泉が沸いていて温泉施設やリゾートホテルが数えきれないほどある。
お目当ての国立公園でのツアーを街で予約した際、カカオ農園見学ツアーというのが目に入った。
私はチョコレート好きでかつてローチョコケーキを製作し、宮古島に住んでいた頃バイト先のカフェで販売をしていた。
カカオ農園は初めて。心躍らせながらツアーに参加した。
さて、ワクワクしながらカカオ農園へ。
ガイドの方が説明をしながら案内してくれる。
カカオ豆はブラジルのアマゾンが起源でカカオを食べた動物のフンなどで各地に広がっていったそう。
そしてカカオを加工してカカオパウダーができたのは1828年メキシコでの出来事らしい。
メキシコのイメージはなかったので意外だった。
その約20年後、チョコレートがベルギーとスイスで開発。
ここで初めてカカオにお砂糖を入れ始めたという。ある種の食文化革命だ。
現在はアフリカが1番カカオを栽培してるらしい。
カカオからチョコレートへの歴史は転々とした広がりがあって面白い。
各国多数の先人のおかげで世界中で愛される魅惑のチョコレートが完成したということか。神からのギフトとも言えるカカオを使った素晴らしすぎる開発。
頭が上がらないな。
カカオは色は違えどどれも同じ木から採れる。
味も同じらしい。
農園には虫たちが花粉を運んでくれるように落ち葉や朽ちたカカオがそのままにされていた。
自然に近い環境で栽培されていて素敵な農園だと思った。
農園を周ったあとはカカオの実を割って中身を食べさせてくれた。
とても甘くてフルーティ。味はマンゴーに似ている。
中身を取り出した後の工程もナチュラルだった。
産業的なことはあんまり興味ないから工場ではなく農園内で行われているのが素朴で楽しかった。
このあとは焙煎、粉砕するとよく見るカカオパウダーの状態となる。
もうすぐ試食だ!とわくわくしていたら最後の最後に大量のお砂糖が投下された。
パウダーを溶かし、溶けたチョコレートをスプーンで舐めさせてもらった。
正直これがちょっと残念だった。甘すぎるしせっかくのカカオの風味がお砂糖の味に支配されていた。
お砂糖が悪いってわけじゃないけど今回はもっとカカオが際立つような甘味を使うか、甘くなくてもいいから本来の味を楽しみたかった。
これはカカオ豆からカカオパウダーを作り出した時代に飲まれていたドリンク。
カカオパウダーとコーンパウダー、チリをお湯で溶かしたもの。
現代版という事でここに大量のお砂糖を入れたものを試飲。
でもやっぱり砂糖水を飲んでいる感覚があったから帰ったら自分流にアレンジしてみると楽しいかもしれない。
じわじわとお菓子作り欲が湧いてきた。
この農園で一連の流れを見てやっぱりカカオって魅力的と思った。
また一つ大好きなカカオの理解が深められて嬉しい。
他にも気になることが浮かんできた。
カカオバターを抽出するプロセスとかも知りたいし、チョコレートの製造過程も気になる。
ベルギーとかスイスで見れるだろうか。
今日はそんなにたくさんは食べていないけれどカカオは刺激的で胃が疲れた。
カフェインで頭が変な感じに冴えて気持ち悪い。
見学しているといろんなインスピレーションが浮かんできて販売していたローチョコケーキをまた作りたくなった。
日本に帰ったらいろんな試作をしてみたい。
世界中でいろんな農園に行って研究できたら相当楽しい人生になると思う。
かなり意義のある世界旅行になりそうだ。
チョコレートはしあわせの味。
小さな一粒が大きな幸福のひとときを作り出してくれる。
じわりと溶けて広がる甘さと鼻腔をくすぐるカカオの香り。
カフェインで脳が冴え、その美味しさを鮮やかに認知させられる。
刺激的だよね。
美味しいチョコレートを食べるならやっぱりヨーロッパだろうか。
いっぱい食べたい。今日の農園見学はヨーロッパへの前振りかも知れない。