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「来世はひとりの人間になろう」 世界一周中に結婚した話

2023年11月14日、世界一周旅行の幕が上がる。
南米に始まりじわじわと日本に近づいていく魂胆。
パートナーと共にだいたい3年ほどかけて巡るつもり。
旅情80%ぐらいのかんじで緩く書いてまいります。

世界一周255日目。現在メキシコ。
ここで共に旅するパートナーと結婚した。
この経験と、愛についてをここに記す。

さて、そもそも日本人カップルが海外旅中に結婚ってできるんだ!?と思うだろう。
私も思った。

数ヶ月前、私は誕生日にパートナーからのプロポーズを受けた。
チリのとある渓谷、満天の星空の麓でのことだった。
ロマンスの頂点であるプロポーズというイベント発生に私は、

「う、れしい!!…けど、どうやって?え?どこで?いつ?」
という反応だった。

パートナーは事前に調べていてくれたようで、
どうやら日本大使館で婚姻届をもらって、提出すればいいらしい。
印鑑は不要。
戸籍謄本は日本から取り寄せなければならなかった。

が、今年4月に法が変わって必要なくなったらしい。
法改正、ナイスタイミング!

ということでメキシコシティの日本大使館にて婚姻届を提出した。

ちなみに、メキシコにした理由は、メキシコが世界一周の中でも最も楽しみにしていたので、大好きな国になるという確信があったからだ。

そして、ちょうどタイミングよく宮古島でお世話になっていたフリーダイビングのインストラクターご夫婦が今年、メキシコに移住していた。
もちろん会いに行くつもりだったのでお二人に証人欄のサインを書いてもらった。

同じメキシコといえど、二人が住む場所と日本大使館はかなり離れていた。
なので前もって、当時ちょうど滞在先の近くにあったコスタリカの日本大使館で婚姻届をもらって、その後メキシコへ。
インストラクターご夫婦がいるところに滞在。
サインをもらって、メキシコシティの大使館で提出するという流れだった。

つまり、こうゆうかんじ


そもそも国をまたいで婚姻届を提出できることも知らなかったし、印鑑がいらないことや、戸籍謄本のことなどなど、全て大使館の人に教えてもらった。
めちゃくちゃ感謝している。

いつ日本に帰るかはわからないし、この旅の中で結婚できたことは人生において最大の喜びのひとつだ。


最近、エーリッヒ・フロムの「愛するということ」を読んだ。
(電子書籍って苦手だったけど、旅中はなんと便利なこと!)

確か小学校か中学校の教科書にもフロムの言葉は出てきていたと思う。
なぜ今フロムを読んだのかというと、
婚約を機に、「愛とはなんぞや。」というのを哲学という角度から感じてみたかったからだ。

以前の私は、旅は続き日々をこなす中、結婚してもしなくても何も変わらないと思っていた。
してもしなくても、ずっと一緒にはいるしなあ、といった感じだった。
周りの友人で結婚している人が少なかったのも、憧れのなさの理由の一つだったと思う。

でも、いざ婚約すると心境の変化がすごかった。
結婚ってただの法であって自分の感情とは関係ないものだと思ってたのに、はっきり言ってめちゃくちゃ幸せ。
結婚するの嬉しすぎる。
毎日がご機嫌るんるんハッピー。
法の権威ってすごいなって思った。

そしてそのテンションで何かのスイッチが押されたのか最近は「これって愛ですよね?」って感覚がちょっとずつ、体を流れている。


恋の延長に愛があると思っていたけれど違う。
恋と愛は似ていない。
どちらかというと愛は尊敬とか、理解とか、気遣いに似ている。

つまり恋は感情で、勝手に出てきたりなくなるもの。
愛は感情ではないので、コントロールできるもの。
愛は育めるし、磨けるんだ。


当たり前だけど、結婚は自分の意思でした。信念もある。
結婚したからにはパートナーを一生愛するのが私の努めだ。

機嫌のいい時に人を愛せるのは当たり前らしい。
あの結婚式で聞く「病めるときも健やかなるときも〜」ってやつは
自分が、相手が、世界が、ほんとに嫌になったとしても、互いを尊敬して理解して気遣えってことなんだろう。


ところで、私とパートナーは似ているところもあるし、全く正反対なところもある。
私は全く正反対なところが気に入っている。

私は文系だし、彼はガチガチの理系だ。
感覚や直感を大切に思う私とは違い、彼は論理的に筋が通っているかを重要視する。
映画を見ていても、私が涙ぐむ横で彼はちょっと笑っていたり、その逆もしかり。

この凸凹がゆえ、互いの短所を、互いの長所で補っていると思える時がいつもある。

例えばコーンフレークの裏とかにある、あの蜘蛛の巣型のグラフをそれぞれもっているとして、お互いを重ねたら五角形になるだろう。
どちらも人としてまだまだ精進が必要なので、綺麗な五角形ではなくとも、いい線いくと思う。

ずっと一緒にいるなら、多分死んでも一緒だし、来世も一緒がいいって思う。
というか来世に関しては、二人でひとりの人間になってみてはどうだろうか。

私たちがひとりになれば、何かで無双できるはず。
何者になろうか考えてみる。

現在、彼はエンジニアで、私はデザイン関係や料理に精通している。
なので科学×アートデザイン的なやつがいいと思う。

分子ガストロノミーレストランのシェフか、
クリストファーノーランのような物理ファンタジーに情緒を盛り込んだ作品を作るか、
ディズニーのイマジニアでもいい。

以前はやりたいことや夢、全部自分ひとりで叶えることしか考えていなかった。
ここ最近、これからのすべてのできごとを二人ごとで考えるようになってきた。
ロマンチックなので、来世も含め。


愛とはどうやら技術らしい。フロムが本で言っていた。
これからどう磨いていこうか。
磨いたら、来世で綺麗な五角形を作れるだろうか。

お互いの幸せは共有して嬉しさを二倍にしたいし、
悲しさは分け合って半分にしたい。

一緒にいて楽しいのはいつも通りだけど、二人で生きることによって心も体も安心できるといいなと思う。

世界一周しておいてなんだけど、幸せがそんな派手なもんじゃなくていいんだ。
平穏を積み重ねるだけの日々が愛を持って続けばいい。


平和を築こうと思う。
ちっぽけな私だけど、きっとできると思う。

彼は割と筋肉があるけれど、私は骨細タイプだ。
彼を抱きしめるとき、自分の小ささを特に感じる。

わたしの頼りない、半径20cmほどの腕の中。
この小さな領域が、彼にとって宇宙で一番安全な場所でありますように。

そうあるように、愛を努めようと思う。



プロフィール:

1996年、サブカルインドア人間として大阪にて誕生。
服飾専門学校卒業後テキスタイルデザイナーを務めるが都会的な暮らしや流行に嫌気がさし退職。
2021年、沖縄県の宮古島に移住。
趣味だったハンドメイドウィービングや料理の仕事に就く傍ら、フリーダビングにはまり毎日海で泳ぐ。
さらなる自然への興味と世界を深く解釈したい欲が矢を放ち、世界を駆ける。
ラジオとゲーム実況が好き。

情報記事はこちら。
https://maryojourney.com
良ければインスタグラムも覗いてみてください。
https://www.instagram.com/_maryo.san_

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