動かぬ心も旅の現実(ウユニ/ボリビア)4/4
ウユニからチリのサンペドロデアタカマまでの道中を楽しみながら駆け抜ける2泊3日のツアー、2日目。
車には全員で6人乗っていて、朝から晩まで一緒に観光を楽しみ食事も共にする。宿も同室。
私たち以外はみんな中国の方で、歳も近かった。
みんなで朝ごはんを食べながら泊まった宿の話をしていた。
ベッドが臭かったとかシャワーのお湯がでなかったとかいろいろぼやきを共有した。
そんなことを言っている側から、部屋に戻ろうとした1人がドアを捻るとゴトンという重い音を立ててドアノブが床に落ちた。
こうゆうのを笑い合える仲間がいてよかったとおもう。
今日は塩湖を抜けて、砂漠へと入った。
このままチリにどんどん近づいていく。
砂漠といえど、湖がいくつかある。
湖にはフラミンゴ。
次の湖にもフラミンゴ。
綺麗だが、移動しては湖とフラミンゴの組み合わせの景色を見させられる。
最初こそ、フラミンゴだー!とかいって喜んでいたけれど、こう何度も見せられるとありがたさが薄れてくる。
だめだねこうゆうの。
ごめんフラミンゴ。
さらに砂漠を進んでいくと湖は気配を消して、完全に砂の世界になる。
そんな中、ポツリポツリとどこからきたんだろうと不思議になる大きい岩が佇んでいる。
そしてこちらも砂漠に佇む大きな岩の塊たち。
先ほどとはまた違った形状で面白い。
砂がずっと続く変わり映えしない景色の中、岩だけが形を変えている。
人間には同じような環境に思えてもこの土地には異なる要素がたくさん含まれているということだろう。
ここに生活スタイルが謎すぎるうさぎがいた。
周りは砂漠、植物はほとんどない。
身を守る寝床はこの岩のみ。
他に移ろうにもうさきの足だと何日もかかってしまうほど周りには広い空間が広がっている。
どうやって生きていってるんだろう。
それにしてもかわいい。うさぎと岩。
湖とフラミンゴのように何回も見させられるとうさぎと岩も飽きちゃうのかな。
夕方、宿に着いてぐったり疲れていた。
砂漠を駆け抜けたので砂まみれになった。
砂疲れ(すなづかれ)という言葉が思い浮かぶ。
喉の奥を越えて器官にまで砂が届いている気がする。
目にもたくさん入ったけどああゆうのってどこにいくんだろう。
埃っぽい乾燥した肌、髪もパサパサ。
この日の宿にシャワーはなく、汗拭きシートで身体を拭いて寝た。
夜ご飯のとき、明日は朝日を見るとかで3時半に出発するよー!と言われた。
みんなで過ごす2泊3日。集団行動。
最初こそ遠足や修学旅行の雰囲気を感じていたけど、合宿か?と思った。
砂まみれになる毎日。どうゆう部活動だろう。砂部とかどうだろう。
そして3日目。
朝3時半に起きて、ささっと朝ごはん済ませ出発。
朝日と間欠泉を見に行った。
間欠泉ってなんぞや。と思った。
地面から噴き出す水蒸気のことらしい。
日本にもあるらしいけれど、初めて知った。
地下の熱湯が沸き、地表との温度差で噴き出すらしい。
近くには温泉があり、訪れた。
久々のお風呂。汚れを落とし、冷えた身体を温める。
目の前には大きな湖が広がりいい眺めだった。
写真撮るの忘れたけれど。
身体の疲れはかなり癒やされ、湯船のパワーを感じた。
それからしばらく車に乗り、
すっきりした顔で越境、無事チリに入国した。
2泊3日のウユニからアタカマへの越境ツアー。
駆け抜けた塩の世界と砂の世界。
正直なところものすごく疲れた。
悲しいことに少し絶景飽きした。
心が動かないことに戸惑ったけれど、後から冷静になってみるとこれも旅だなと思う。
期待どおりの旅になるわけがない。
残念な観光スポットだってあるし、その残念さが現実。
旅の全てが驚きと感動に満ちているわけがない。
好みだってあるし。
(わたしは自然の中だと海がいちばんすき)
せっかくの観光でも疲れてぼーっとして何も感じられなかった時があってもいいと思う。
これにてボリビアの旅は終了。
ボリビアの土壌は豊かな資源に恵まれているにも関わらず南米で最貧困の国。
"黄金の上に座る貧国"と言われているらしい。
ラパスを経由してウユニにしか行かなかったのでボリビアについてはほんの一部しかわからなかったが
出会う人たちはみんな優しくて明るかった。
ウユニ塩湖の下には電子機器のバッテリーに必要不可欠な材料であるリチウムが眠っているらしく、その埋蔵量は世界最大らしい。
詳しくはないけれど、リチウムの需要はこれからも右肩上がりだろう。
地下に眠る宝を上手く活用すればボリビアが世界の脚光を浴び、国としてどんどん成熟していくかもしれない。
そんな未来があるかもな。なんて想像をする。
駆け抜けたボリビアだったけれどもっと深く知りたいとも思う。またいつか。
そして初めましてチリ。
"細い"というイメージしかないです。