徘徊奇行文
誰かに出会うため、家を出た。
いつからか注意書きや禁止事項で溢れてしまった
公園と自分勝手な告白ジンクス。
懐かしい場所で、最近の流行歌を聞く、
なんでもない矛盾。
生まれて初めての告白
バイバイのメール
知らないこと。
2月、私の手からチョコレートを奪っては、
ひとくちかじって笑った彼
好きでもない人とイヤホンを分け合って、ベンチで手を繋いだ。わたしだけが知っている曲を流した。
制服姿になってしまったまま、誰もいない公園のトイレに灯りをつけて、知らない友達と雨を凌いで、ふたりでちょっと涙して
そこに行けば誰かがいるのは当たり前で
そこに行けば誰かに会えることを知っていたから
今でも、誰かに出会うため、家を出る。
もうすぐ春が来るというのに、
もうここには誰もいないというのに。
あの頃の気持ち、今の気持ち、歩いて、あるいて
考えて、また新しく、、、咀嚼して
ガタガタに捻れたブランコと都市伝説
反対を押し切っては進む工事
引っ越したあの子の家には結局いけなかったな。
もうあの子と、湿っぽい川沿いの桜は見れないって。
彼女は私に舌打ちを打っていたこと、
気付いていたのかな。
ここってコンクリートだったっけ?
そんなことを考えながら、誇りだった今日までの自分に少しだけ落胆した。
公園で遊ぶ影がどれも幼く見えて、
自分が成長したことに気付けなかった。
誰かに会うため、家を出た。
いや本当は、また君に会いたいだけ。
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