フユ/繋がる/輝度
私は運命はあるからね。って答えた。
あなたの高校に運命の人はいなかったかもしれないけど、キセキをひとつずつ拾って辿っていけば、季節にいっこくらいの運命に気付けるはずだよ。
でも、夏の運命は信じられないから、春と、冬の始めに手に入れた運命だけを信じていたい。
来年の春。あなたの新しい町にディズニーランドはないし、私もいないし、初春の夜はとても冷え込むかもしれないけど、星が僕ら見守ってって、私は最近そのような事ばかり考えている。月だけは、どの町が映しても眩しいことが嬉しかった。おそろいの月が毎日浮かんでいる。それが1日ずつ満ちたり欠けたりして、それだけで、明日も頑張れるよ!
私は運命の人を運命の人と呼びたいし、好きな人を好きな人って呼びたい。そういう響きでしか人を大切にできない。
人は星の数だけいて、私の姿も星の数だけある。それは尊いことだし、そしてやっぱり、世界はふたりきりでいいよって思った。通りかかった男子高校生が嬉しそうに誰かと電話していて、それがもし大切な人との電話なら、彼らもふたりきりだといいなと思った。
それがわかったなら、誰の声も聞こえないところに行こう。
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