見せかけのものは要らないのだ!
ただ
透明な魂でありたい。
わたしには、
顔も、体も、声も、匂いも、名前も、性別も
見せかけのものは要らないのだ。
私は私じゃない顔、
私じゃない体、
私じゃない声、
私じゃない匂い、
私じゃない
私じゃない
私じゃない
私じゃない
私じゃない
私じゃない
私じゃない何かになるまで
放課後も、帰り道も、恋も、陰口も、
する資格がない気がした。
私は私じゃなければ
きっと、もっと楽しかったのに。
ってすごくよく思う。
ただ
透明な魂でありたい。
わたしも
きみも。
例えばふたり、透明なまま朝起きて、寝ぐせも気にせず触れ合っていたかった。
髪も
背中も
指も
言葉も
性格も
私の何もかもを失くして、
なにか透明なかたまりになってしまいたかった。
でも、私の手はあたたかいから、、
体温は、消えずに残ってほしいと思った。
例え、姿を失くしても、
目が見えなくなっても、
耳が聞こえなくなっても、
私の熱はここに残って、
君の手の温かさだって知りたい。
目を失くしても、耳を失くしても、君が触れてくれたと気付きたい。
君の鼓動を感じたい。
でも本当は、
君に触って「あたたかいでしょ」って言いたい。
そしたら次は「あついくらいだよ」って言われたい。
君の声の高さをしるための、耳が欲しい。
君の指の長さや、瞳の色を知る目が欲しい。
君の髪のにおいや、朝の台所の匂いを知りたい。
例えばふたり、朝起きて、おはよう。と言って、
君は君の姿のまま、私も私の色と輪郭を選べることができたなら、それが一番素敵だって
それくらいわかるよ!
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