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Prime Video「龍が如く Beyond The Game」感想

10/25からPrime Videoで前半3話の配信が始まり、11/1に後半3話が配信され完結した同作の感想。
当然ながらネタバレを含むので注意。
筆者はゲームの龍が如くシリーズ(0~8と7外伝)は全てプレイ済。


以下ネタバレ








全般的な感想

正直言って、「ふざけてる」の一言。
こういうありきたりな否定の言葉を言いたくはないが、こんなの龍が如くじゃない。
いや、ストーリー自体は「じゃない」とは言い切れないが、少なくとも桐生や錦山などゲームの主要人気キャラの名前を使うなら、もっとちゃんとしてくれ。

事前の8外伝の発表会の折に龍が如くスタジオの横山プロデューサーが「ゲームとは別物だが、これはこれでよく出来ている」というような発言をしていたが、確かに単なるドラマとしてはそこそこ面白いが、到底桐生一馬の名前や龍が如くというタイトルを使って良い作品ではない。
面白ければゲームと別物になるのは全く構わないが、それにしてはこれまで積み上げてきた龍が如くブランドの名キャラクター達の名前を安易に使い捨てしすぎている。
龍スタもよくこれでOK出したな。
正直今後のゲームなどメインの方の舵取りも心配になった。
8外伝もなんかよく分からない感じだし。


キャラクターについて

やはり全員が納得行っていないのはここだろう。
本当にどうしようもない。
正直1話の開始5分以内で見るのをやめようかとも思った。

桐生は予告編の時点で「堂島の龍になりたい」とかいう意味不明な発言をしているし(それは0の渋澤のセリフ)、錦山は単に冷徹なだけの何の面白みもないキャラに成り下がっている。
ビジュアルはともかくとして、唯一評価できるのは真島役の青木崇高氏の演技。
これはかなり上手くゲームの真島に寄せていて、それでいて実写ドラマとして違和感もないので関心した。
と、前半を観た時点では思っていたが、最終話ちょっぴり登場した場面ではそうでもなかった。
冴島はただの筋肉バカのモブの扱いで最悪。
風間の親っさんはまあ及第点か。

その他、堂島や嶋野はビジュアルが1ミリも一致していないので言われないと誰だか分からない。
というか全般的に本当に誰なのか分からない。
その割に賽の花屋は衣装もバッチリ用意してるし何なんだ・・・

さらに許せないのは、0で出て来た阿波野という名キャラクターの名前がモブ同然のクソ雑魚下っ端組員として使い捨てられていること。
0はシリーズの中でも名作と名高い人気作で、阿波野含む渋澤、久瀬の三人組はゲームではVシネの名優達が演じる特に力の入ったキャラクター達。
何度も桐生の前に立ちはだかる強敵として、一作だけの登場にも関わらずかなり人気がある。
そんなキャラの名前をコイツに使うの?と悪い意味で驚愕した。

あと東城会会長の佐々木大吾ってまじで誰やねん。
ゲームであれば0時点では二代目代行の二井原、1時点では世良だが。
都合良く堂島大吾の名前を匂わせといてダルすぎる。

女性キャラクターはそもそもゲームと見た目も役回りも違いすぎて、もう脳がゲームキャラと変換するのを放棄していたため最早何も気にならなかった。

なんにせよ、完全に終わってる。


ストーリーについて

ストーリーとか脚本自体は別に悪くない。
なんでもない普通の極道物サスペンスドラマとしては全然観られるし、なんなら龍が如くとしても有りそうなストーリーではあるので、ここはそれなりに評価はできる。
まあ決して凄く面白いわけではないので、あくまで及第点という意味でだが。

演出面では95年と05年では携帯電話の有無程度の違いで時代感があまり変わらず役者もただ服が違うだけなので、時系列が入れ替わっているのが分かりづらい部分が目立ちストーリーへの没入感を削がれた。

また終始一貫して桐生が何をしたいのかが全く見えなかった。
ただその時の状況に流されてなし崩し的に行動していただけで、芯がなさすぎる。
主人公というよりは、ストーリー上重要な場面に悉く居合わせただけの存在。
それで「桐生一馬です」と言われてもねえ。


アクションについて

これも全然迫力がないし大したことない。
まだゲームのカットシーンの方が良いんじゃないか?
特に最後の東城会と近江連合の抗争もただ人が多いだけで見どころがないし、呆れたのは桐生と錦山の最終決戦で終始錦山が武器を使っていたこと。
しかもお互いアクション俳優でもないし、全然迫力もないし面白くない。
正直半分寝てた。


総評

ストーリー・脚本はそれほど悪くないものの、そこに適当に龍が如くシリーズのキャラクター名をはめていっただけのクソ。
おそらく製作陣はほとんどがゲームをプレイすらした事もなく、本当に適当にキャラ名リストからピックアップしていっただけなのだろう。

龍が如くである必要が全くないし、なんなら元は別の作品のプロットだったものを流用したんじゃないかと勘繰りたくなるほど。

仮に龍が如くであったとしても完全オリキャラの外伝映像作品としてならまだ観られたものを、何故こうしたのか全く理解ができない。
俳優陣だけは無駄に豪華だが、彼らのキャリアにとっても汚点の一つとなるだろう。

龍が如くを1ミリも知らない、今後もやる予定がない人は暇なら観ても良いとは思うが、少しでも知っている人は観る必要は全くない。
時間の無駄。

アマプラだったら予算もあるだろうし、こんな中途半端な誰向けかも分からない作品を作る時間と金があったなら、それこそキムタクに金を積んででも彼を引っ張りだして実写版ジャッジアイズあたりをやってくれた方が1億倍面白いし万人受けするだろうに。





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