私はまだJ-HOPEを知らない
すごいものを観てしまった。
我らが希望、J-HOPEさんのドキュメンタリー『J-HOPE IN THE BOX』を観た。
正確に言うと4回観た。さらに好きなシーンは7回ずつは観た。
以下、ネタバレを含むどころかネタバレでしかないので、また観てない人は注意というか今すぐ観てください。
もしまだDisney+に加入していない人、このドキュメンタリーだけでDisney+に加入する意味があるどころがお釣りが出るくらい元とれます、本当です。
全てセルフディレクションだった
序盤のシーンで、今回のアルバム活動にあたって、パンPDに「やりたかったことを全て自分で作り、見せてみたい」と伝えたと言うJ-HOPEさん。今回のドキュメンタリーを見進めていくうちに、「全て」は本当に「全て」のことだったのだと思い知らされる。
コンセプト、作詞作曲、MV、プロモーション方法、ロラパルーザでのセトリから演出、ダンスの振付け、さらに驚いたのはリスニングパーティーで出されるフードやドリンクまで…
それぞれの分野においてのプロと協働しながら、驚くほどのディテールまで意見し判断しディレクションしていく。どれだけの強い意志と時間と労力が必要だろうと思う。そのほんの一部を今回のドキュメンタリーで見せてくれているわけだけど、実際の作業量を想像すると気が遠くなる。しかもこれをグループの活動と並行しながらやっていたなんて…(絶句)
そしてさらに驚くのは、今回のプロジェクトはデビュー前から始まっていたという事実。
このドキュメンタリーの最後にJ-HOPEさんが言ったこの言葉、あまりのかっこよさに全身が痺れ目眩がした。
BTSの中ではバランサーのような役割で常に全体の為に動くJ-HOPEさんだけれど、そんなグループ活動をやる中でもずっとずっと彼だけの炎は内側で燃えていて、いつ外の世界に出ていこうか様子を伺っていたのだ。普段穏やかなホソクさんの内に秘めるラプラマインド…めちゃくちゃ良い…。
デビュー前から既に頭の中にあった壮大なストーリーを、細部にまで落とし込み形にしてこの世に出した。このJITBを通してJ-HOPEさんが成し遂げたこと、そしてその過程も含めてリアルタイムで見ることができたこと、感謝でしかない。同じ時代に生まれて良かった…。
ホスピタリティと書いてJ-HOPEと読む
全体を通して何度も、そして強く印象に残ったのはスタッフをはじめとする周りの人へのホスピタリティの高さだ。
・スタジオ練習も佳境を迎えていく中で、「もう一度」と声をかける監督に対し「休憩を入れよう、ダンサーの皆さんも休ませないと」とひと言。
・リスニングパーティーが終わってお開きになったあと、会場内を回りスタッフ一人も漏らさず「お疲れ様」と声をかけ背中をさする。
・ロラパルーザの直前の練習、練習が途切れる度に何度も何度も、言葉の通じないバンドメンバーの一人ひとりに「良かったよ!」と声をかけながら握手をしに行く。
・本番のステージが終わり、今にも倒れてしまうのではないかと思うほど満身創痍な中、共演者との撮影にノリノリで応じる。
壮絶なプレッシャーの中で食事も睡眠も十分にとれず心身ともに追い込まれる中、周りの人を思いやり、気遣い、感謝の言葉を伝え、背中をさする。それがどれだけ難しいことか。
正直私は、作詞や作曲、歌やダンスよりよっぽど難しいんじゃ無いかと思う。
いや全部できるJ-HOPEさんマジでスゴイ。
ホスピタリティと書いたけれど、もうこれは思いやりとか優しさとかを超えた人間力…。才能や努力はもちろん、J-HOPEさんのスター性みたいなものは、この素晴らしい人間力にあるんじゃないかと、改めて感じた。すごすぎる。
J-HOPEのDynamite
ご存知ロラパルーザで披露したDynamite。
個人的に一番泣いたのがこのシーンだ。今も思い浮かべるだけでじんわり涙が出てきてしまう…
このドキュメンタリーの後半では、ロラパルーザのステージ映像を軸として当日までのビハインドが織り込まれながら進むのだけど、Dynamiteのビハインドとして差し込まれた映像は、J-HOPEさんのひたすら悩む姿だった。
「BTSの曲をやるべきか?」「やるとして自分だけのパートを歌うのか?」「BTSとしての曲をアレンジして、僕が変えてしまっていいのか?」
Dynamiteの中でのJ-HOPEさんのソロパートは、たったの9秒。
そのたったの9秒を、J-HOPEのDynamiteとしてセトリの中でどう表現するのか。
音源に使われたのは、Dynamite(Tropical Remix)。真夏に行われたロラパルーザの気温や湿度とぴったりだったんじゃないかと思う。
前半のJITBのシリアスさとは打って変わって、一気に明るくハッピーな雰囲気になり、衣装も黒から白に。ステージに現れた笑顔のJ-HOPEさんは実家のような安心感。ホ、ホビだ〜。
「僕は踊るからみんなは歌って」という合図とともに大盛り上がりで歌い出す観客(映像でも信じられないくらい声が聞こえる)と、バックダンサー達と軽やかに踊るJ-HOPEさん。ものすごい一体感。もうサビまでで大号泣である。そして気づく。
J-HOPEのDynamiteって、みんなのDynamiteってコト…?
ダンサー達との直前練習では、「楽しそうに」「もっと揃えて」「仲良く見えるように」と繰り返し(怖いほどに)指摘していた。これはダンサーとしてというよりもBTSというチームでダンスをやってきたからこそのプライドであり、チームの楽曲ということへのリスペクトなんだと思った。
だからこそ既存のremixを使って、J-HOPEだけのDynamiteではなく、「みんなの」Dynamiteとしてやることにしたんだろうな、と思う。
ちなみに私はサビのDa nana nanana…の振付が大好きである。
ドキュメンタリーの序盤の方では(おそらく)コレオが作った別の振付を踊る映像が映り、それを見たJ-HOPEさんがその振付の提案をしている様子が見て取れる。原曲ではカウントをとった簡単でキャッチーな印象を与えるような振付に対し、今回のロラパルーザでの振付は、カウントではなくメロディの音をとっている。足で小さくステップを踏みながら両手を上げる、激しい動きは無いがやってみると結構難しい。サビの他の振付もそうだが、原曲と比べ難易度が高い振付にも拘らず、それ自体を魅せる踊りではないところがすごい。バックダンサーがずっとついて踊っているように、あくまで「みんなで」踊る楽しさや一体感、ノリを表現している。
ただ観客に歌ってもらって自分は踊ればいいや〜、じゃない。振付の一つ一つにもJ-HOPEさんの意思が詰まっているのも、このDynamiteのグッとくるポイントです。
バックダンサーの皆さんも最高すぎて言いたいことは山ほどあるけどそれはまたの機会にして、これを読んでいる人はdance practiceを見てぶち上がってください。
私はJ-HOPEを知らなかった
このドキュメンタリーを観終わったあと、今まで私はJ-HOPEのことを知っていたようで、何も知らなかったんじゃないか、そんな気分になった。
それくらいJ-HOPEという、チョン・ホソクという人間の凄さを見せつけられた。
J-HOPEという運命を受け入れ、その重荷でさえも、魅せる力に変える人。
「目標」「夢」を言葉だけではなく、それに向かって学びの姿勢と地道な努力を積み上げて叶える姿は、正真正銘の「希望」。またその中での苦悩や葛藤を垣間見ることができる貴重なドキュメンタリーだった。
そしてこの兵役前というタイミングで見せてくれたことは、これからの2年の確実な希望だなと思う。JITBはJ-HOPEさんのほんの一部であり、始まりであり、これからどんなJ-HOPEの世界を見せてくれるのかがますます楽しみになった。寂しいけれど、またステージに立つJ-HOPEさんの姿を心待ちにしながら、あと100000000000回はこのドキュメンタリーを観ようと思います。
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